外交2010年11月15日 23時42分16秒

ニュースで外交の話題が中心になってから、かなり過ぎました。中国人船長の扱いが妥当だったかどうかというところから火がついたわけですが、国という相手がある問題のむずかしさを痛感します。しかし、似たようなことは、周囲にもよくあると思うのです。私も長い人生の間に、同じようなことが起こった場合の危機管理マニュアルめいたものをいつしか作っているものですから、今回は、まずいんじゃないの、という思いがあります。

世にあるトラブルの多くは、自分を大きく見せたいと思う人によって引き起こされます。「人」を「国」と読み替え、瀬戸際政策といった言葉を思い出していただいても、かまいません。

自分を大きく見せたい人、あるいは、自分の大きさが認識されていないと考える人は、まず目立つことが必要です。ですから、どぎつい仕掛けをしなくてはならない。それが正当か、不当かは二の次で、不当なぐらいの方が、耳目を引きつける効果があります。それは結局損だ、というのは正論ですが、正論は我慢の根拠にすぎない、ということも起こります。

こういう場合には、挑発に乗らない方がいい、というのが大原則です。同じ土俵に上げられてしまうと、AとBのケンカという形で意識され、先方の思うつぼになってしまいます。放っておくのが上策なのですが、状況によっては、そういかない場合がある。船がぶつかって来て、そのあと日本批判の大合唱、などという場合は、甘受しているだけじゃダメですよね。個人ならともかく、大きな組織を率いている場合は、一定の対応をしなくてはいけません。(続く)