真紅のバラ2012年01月27日 22時43分04秒

1月最後の金曜日は、たいてい、1日がかりの仕事になります。それは、オペラ専攻の大学院生の修了試験(アリアとアンサンブルに分かれ、今日はアンサンブル)と、その後に論文の口述試験があるからです。私の指導で論文(正式には研究報告)を書いたのは、ソプラノ6、バリトン2の8人。その全員が、声楽の先生方(著名人ばかり)の審査を受けました。今日はその前に、音楽学の修論審査も1本入りました。

ドニゼッティ、グノー、ヴェルディのオペラ名場面を、学生たちは先輩共演者(通称「助演」)の力を借りながら、全力投球でこなしてゆきます。みんながんばりましたので個別的な感想は控えますが、新国立劇場で勉強されコンクールにも入賞された先輩、高橋絵理さん(ソプラノ)の、格段にスケールを増した堂々たる歌唱にはびっくり。これから第一線に立たれることでしょう。

口述試験は、和気藹々の雰囲気のうちに進みました。先生方が立ててくださるので、私ものびのびと感想を伝えました。終了後、先生方が思いがけず別れを惜しんでくださったのには、感激。真紅のバラと好物のワインをいただき、記念写真を撮りました。「学生たちは幸せだったと思います」というお言葉は、一生忘れません。大学のオブリゲーションが終わるたびに前向きの解放感を感じて進んできましたが、今日はじめて、終わる寂しさを感じました。やっぱり、声楽魂になっているようです(笑)。

コメント

_ マッキー ― 2012年01月28日 07時15分28秒

おはようございます。
「学生たちは幸せだったと思います」という言葉に、定年退職を既にしているわが身にも、何だかじーんときてしまいます。素晴らしい人たちに囲まれてのお仕事だったのですね。

_ 笛吹小僧 ― 2012年01月28日 10時03分48秒

国立音大では看板教授(失礼!)を「名誉教授」として学内に引き留める制度はないのですか? 個人的にはそうなれば良いのにな、と以前から強く感じておりました。

_ I教授 ― 2012年01月28日 23時49分34秒

マッキーさん、それは、本当にそうでした。福井敬さんの言葉、「じーんと」来ました。

笛吹小僧さん、「名誉教授」の制度はありますよ。でもどこでもそうだと思いますが、それはリタイアした人に捧げるもので、学内にとどめおくものではありません。

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