定年後一ヶ月2012年05月14日 23時16分14秒

5月に入ったら、定年後の自分の生活、取り組んでいることを書こうと思っていました。いま何をしているのか、と尋ねる方もいらっしゃるからです。

しかしまだ、こういうことに取りかかりました、と言えないのです。このまま言えないのではないか、と思い始めました。今までよりはひとつひとつの仕事に丁寧に取り組み、音楽会も増やそうと思っており、それはそうしています。でもそうしていると時間はけっこうふさがって、大きな仕事に着手する余裕がありません。意外に、このままいってしまいそうにも思えるのです。ここしばらくは、目先の仕事をこなすだけで過ぎていきそうです。

ICUの講演は、場と聴衆に恵まれて、忘れがたいものになりました。短い時間にたくさんのことをお話しようとしたものですから、近年とみに強まっている熱演傾向が、過度になったかもしれません。ともあれ、こういう場をいただくことで、いろいろなことに気が付きます。ありがたいことです。

久々に、鈴木雅明論を書きました。バッハ・メダルの受賞に伴い、現地の新聞から依頼されたからです。そのために、アルトのソロ・カンタータのCD(ロビン・ブレイズ独唱)を聴きましたが、盤石の揺るぎなさで、すばらしいですね。今回は、この「揺るぎなさ」をキーワードとして書きました。時間がどんどん過ぎてゆきます。