恐山 ― 2012年05月20日 18時33分37秒
昨土曜日、「たのくら」例会を病欠してしまいました。どうしたの、と思っておられる方もおられると思うので、顛末を記します。
篠田節子さんの『聖域』に魅了され、読み進めていました。話は、編集者が使われなかった古い原稿の中に、異様に力のある文章を見つけるところから始まります。平安時代の仏僧が東北蝦夷(えみし)の世界に住み、禁制の聖山に登って超絶的な体験をする、というのがその小説。失踪した作者を訪ねあて、その先を書かせようという編集者の情熱が、ストーリーの推進力になります。探索は、まさに恐山に向かおうとしているところでした。
「たのくら」の準備は夜にやるつもりで、午後は、NHKの準備に費やしました。6月には、「ドイツ・バロックのオルガン音楽」という企画を出すのです。夕方になるにつれ、体調が顕著に下降しつつあることを自覚。夜は食事が取れず、発熱の兆候が出てきました。
8時からよく見ているのが、BSフジの「プライム・ニュース」という2時間番組です。そのゲストに、なんと、恐山の指導者である僧侶の方が出演されました。著作もあります(南直哉『恐山--死者のいる場所』新潮新書)。まず画面に出てきたのは、最近見たことのない、大きな花嫁人形数体。年少の娘さんを亡くされた方が、山に持ち込まれるのだそうです。折から霊魂のイメージで満ち溢れていた私の頭には、そこに魂が宿っているようにしか思われず、一種、総毛立つような感じを覚えました。僧侶のお話はさすがで、諸行無常のご説明には、心からなるほどと思って聞き入りました。
体調はますます悪くなり、横になって視聴。すると嘔吐するようになり、熱がどんどん上がって、いつ経験したか記憶のない、40度に達しました。死者の話題のあとですから、万一のことが心に浮かびます。そこで、府中病院の救急外来に行くことにしました。着いたのは12時過ぎだったでしょうか(続く)。
篠田節子さんの『聖域』に魅了され、読み進めていました。話は、編集者が使われなかった古い原稿の中に、異様に力のある文章を見つけるところから始まります。平安時代の仏僧が東北蝦夷(えみし)の世界に住み、禁制の聖山に登って超絶的な体験をする、というのがその小説。失踪した作者を訪ねあて、その先を書かせようという編集者の情熱が、ストーリーの推進力になります。探索は、まさに恐山に向かおうとしているところでした。
「たのくら」の準備は夜にやるつもりで、午後は、NHKの準備に費やしました。6月には、「ドイツ・バロックのオルガン音楽」という企画を出すのです。夕方になるにつれ、体調が顕著に下降しつつあることを自覚。夜は食事が取れず、発熱の兆候が出てきました。
8時からよく見ているのが、BSフジの「プライム・ニュース」という2時間番組です。そのゲストに、なんと、恐山の指導者である僧侶の方が出演されました。著作もあります(南直哉『恐山--死者のいる場所』新潮新書)。まず画面に出てきたのは、最近見たことのない、大きな花嫁人形数体。年少の娘さんを亡くされた方が、山に持ち込まれるのだそうです。折から霊魂のイメージで満ち溢れていた私の頭には、そこに魂が宿っているようにしか思われず、一種、総毛立つような感じを覚えました。僧侶のお話はさすがで、諸行無常のご説明には、心からなるほどと思って聞き入りました。
体調はますます悪くなり、横になって視聴。すると嘔吐するようになり、熱がどんどん上がって、いつ経験したか記憶のない、40度に達しました。死者の話題のあとですから、万一のことが心に浮かびます。そこで、府中病院の救急外来に行くことにしました。着いたのは12時過ぎだったでしょうか(続く)。
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