ドイツ旅行記(1)--快適なフライト2012年06月17日 23時50分29秒

たいへんお待たせしました。帰国しましたので、連載を開始します。

今回の渡独で、画期的なことがひとつあります。それはこれが、生まれて初めての、自費によるビジネス・クラスの旅行だったことです。

自費でないビジネス・クラスのフライトは過去に2度経験したことがあります。最初の時には大いに舞い上がって吹聴し、『穴(ANA)の糸』なる小説の主人公にしていただきました。ビジネスとエコノミーの違いは本質的にメンタルなものだ、というのが、私の主張です。エコノミーの場合には、すし詰めの空間でサービスをしてくださるアテンダントに、「忙しいのにすみません」という、上目遣いの対応になってしまう。しかしビジネスであれば、「自分は客である」という自信を持った対応をすることができる。それが旅行の快適さを大きく左右する、というのが、私の持論なのです。

あるときその持論を、学生たちに対してとうとうと述べていました。君たちはビジネスに乗ったことないだろ、と当たり前の質問を投げかけたところ、ある女子学生が、「航空会社の都合でファースト・クラスに乗りました」と言ったのです。白けましたね、私は。理不尽なことだと思います。私も飛行機にファースト・クラスが存在することは知っていますが、そのことをなるべく忘れようとして、ビジネス・クラスを讃えているのだからです。

ともあれ、ANAミュンヘン行きのビジネス・クラスに、胸を張って搭乗。やや引け目を感じるのは、マイルがゼロであることです。迎える側はどのお客がマイルの溜まった常連かをすでに把握している、という風説に接していましたので。

ビジネス、やっぱりいいですよ。いきなり振舞われるシャンパン、選択肢の多いお酒、充実した食事、幅広いスペースと高機能の座席。ひとつひとつ喜びをもって受け止めましたが、そのたびに、エコノミー席の状況が気になります。もちろん、なるべく差をつけて欲しいと思っているわけです。

12時間のことですから、ここは節約して、という価値観も、十分にあり得ると思います。帰りにはもう行きほどの感動はありませんでしたが、それでも水平に寝られるスペースはありがたく、ゆっくり睡眠を取ることができました。

ミュンヘンで乗り継ぎ、ドレスデン空港で降りて、新市街のホテルへ。まだ深夜ではありませんでしたので、旅の前半に同行されるすざかバッハの会の幹部の方々とご一緒に、旧市街を散策しました。もちろん、翌日のオブリゲーション(祝辞を述べる)を気にしながらです。

コメント

_ マッキー ― 2012年06月18日 09時33分38秒

先生、お帰りなさいませ。
ご帰国されてからとは。「やっと更新・・・嵐の日々を・・・」となっていましたので、どうされたのかと思っていました。
ビジネス・クラスの心地よさが十分に伝わってきました。いいですね。ファースト・クラスの学生がこのブログにひょっとして顔を出したりして。。。
ドイツ旅行記のかっこ()の中の数字がどこまで伸びて行くのかが楽しみです。

_ ルビー ― 2012年06月18日 23時53分05秒

地球のあちら側でほんとうにジャスト10日間‥ルンルン気配のご帰国通信、ありがとうございます!
ちょうど朝一はラジオのオルガン特集の初日で、嬉しいダブルのお便りでした。今日一日でも随分、オルガン世界の多彩な広がりを感じました。

そっか、これまでに乗せられていたのはすべてエッコノミー席だったのか・・・離陸の瞬間がフンワリ快感だし(大好き!)周りの皆も楽しいので、考えたことも無かったニャン(笑)。

おみやげ物語、しばらく楽しめそう!
夢見るルビー

_ taisei ― 2012年06月19日 00時03分30秒

「怒涛の日々」が楽しみで待ってましたが、すでに帰国されていたとは残念!ま、これからぼちぼち、」ですか」
 今日!大フィル定期でビンシャーマン氏の指揮でバッハのヨハネを聴きに行ってきました。演奏が終了して、氏の指揮の腕が静かに下ろされていき、止まってなお10秒ほどか、感度に包まれた静寂、の後の割れんばかりの拍手、私もスタンヂングオベーションをしてしまいました。リュートやビオラダガンバ、多弦のヴァイオリン2丁を配して要所にその演奏を挟みつつのきりっとしまった中にも温かな名演でした。ドイツに行かんでも(行ったことがないのでわかりませんけど)名演を楽しめました。

_ 押し入れ ― 2012年06月19日 12時06分21秒

穴の糸、懐かしいです笑。
スピーチお疲れさまでした、素敵な写真ですね。

_ 講師K ― 2012年06月26日 02時48分07秒

> もちろん、なるべく差をつけて欲しいと思っているわけです。

賛美致します!

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック