ドイツ旅行記(11)--旧友の歓迎2012年06月27日 23時41分44秒

すべての連絡手段を奪われてミュンヘンに到着した私ですが、旧知の都市であるためか、それほど悲壮感はありませんでした。友人たちとは夕方に合流すればいいとして、昼間は、留学中の愛弟子、川辺茜さんとの再会を楽しみにしていました。頭脳明晰、快活な女性で、《ポッペアの戴冠》成功の原動力だった人です(幸運の女神、小姓の役)。写真がフェイスブックで出まわっているようなので、こちらでも1枚出しておきましょう。ビールのジョッキがよく似合います。



それにしても、ミュンヘンの賑やかさは驚きでした。豪華な街並みに生気が溢れ、「輝いている」という感じなのです。旧東独地区もよくはなってきたが、まだまだ格差がある、という情報を裏書きする繁栄ぶりです。

昼食を摂りながら情報交換をした後、私は彼女と別れて、ゼンドリングという地域に移動しました。30年前に住んでいたところを確かめたかったのです。しかしこの辺だと思う駅に下車してもまったく記憶がよみがえらず、無駄足。そんなものでしょうかね。

再び市の中心に戻り、川辺さん、千葉祐也君に合流しました。千葉君もiBACHのコア・メンバーで、カンタータ第64番のソロや、《マタイ受難曲》(リフキン指揮)のペトロ/ピラトその他を歌ってくれた好青年です。ラーメン屋でアルバイトをしながら、歌の勉強をしています。

しかしいくらなんでもそろそろ、友人たちとのコンタクトを確立しなくてはいけません。私が考えたのは千葉君の住まいで私のノートパソコンをネットにつなぐという方法でした。でもそれなら無線LANだからスターバックスでも同じだ、ということになり、喫茶店へ。ところが、私のパソコンだけ、どうしてもつながらないのです。

万策尽きた、と思われたところで、天啓のようなアイデアが到来。友人のひとりは弁護士だから、職場の電話番号を調べられるのではないか、と気がついたのです。千葉君のパソコンで検索してもらうと、わかりましたね、電話番号が。かけてみると、「タダシ!・・・」と、あきれ果てたような声。駅でもう長いこと待っていた、とのことでした。さっそく会う場所を決め、中央駅に向かいましたが、ここでも場所を間違え、再会まではもう一幕あったのでした。

その夜は、3人の旧友、2組の家族と、ビアガーデンで歓談。大歓待を受けて、心温まりました。昔の法学部の学生たちが、揃って偉くなっているのです。みな、子だくさんの、温かい家庭を作っています。友人たちに恵まれていたんだなあと、心から思える瞬間でした。


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