旅行記補遺--ドイツの鉄道2013年07月11日 23時54分52秒

今回もずいぶん鉄道を利用しました。その感想です。

昨年はお仲間の方々とジャーマン・レイルパスを購入して便利をしましたが、今年は、予算を計上してあったにもかかわらず、購入しませんでした。それは、既述の通り、自動販売機が進化したためです。たくさんの項目を選択するようになっているので最初は面食らうと思いますが、目的地、等級、列車の選択など必要事項はわずかなので、慣れれば便利に使えます。窓口はたいてい行列になっていて、時間がかかります。

優さんから、カードを使ってトラブルが起こったという書き込みがありましたね。私はすべて現金を使い、問題ありませんでした(どの紙幣が使えるか、画面で指示されるので注意する必要あり)。チップに必要な小銭作りにも、自販機が役に立ちました。自販機は乗り継ぎも指示してくれますが、その場合は書き留めておかないと、あとでわからなくなる可能性があります。

かならず一等車がついていますから、余裕のある方には、利用をお勧めします。二等車が混んでいても、一等車はガラガラで、気兼ねせずに済むからです。ひとりで何人分もの席を占領している人など向こうではざらですから、割り込む勇気のない人は、一等車です(笑)。

一等車には、「静かな席」という区分があります。それは、ケータイ禁止のゾーンです。ということは、ケータイを許容しているということですね。しかし全員がケータイ/スマホとにらめっこ、という風景は、ドイツではお目にかかりませんでした。

最大の感想。それは、ドイツの列車は遅れる、ということです。ドイツ人はきちんとしているから遅れない、と思う方もいらっしゃるでしょうが、少なくとも旧東は、全部遅れると思ってください。マクデブルクからツェルプストに行ったときなどは、女性車掌がホームで話し込んでいて、5分後に悠然と発車する光景を目撃しました。

遅れるとどうなるか。出たとこ勝負で、発着ホームが変わるのです。ふと気がつくと、ホームで待っていた人が誰もいない。来るはずの列車が離れたホームに停まっている、ということが起こります。この臨機応変は、旅行者には大敵です。

ロストックからベルリンに戻るときには、自販機で買った切符の乗り継ぎを窓口で確認し、プリントアウトしてもらった時間割で、列車に乗りました。シュヴェリーンと、ルートヴィヒスルストで乗り換えることになっていました。ロストック~シュヴェリーン間でまず遅れが発生し、乗り継ぎ列車のホームが直前に変更されて、別のホームへと急ぐ羽目に。そうしたら、目前でドアが閉まってしまったのです。ショックを受けましたが、発車ではなかったので、開いて乗ることができました。

この列車からは、ルートヴィヒスルストで、ICEに乗り換えることになっていました。しかし時間割を見ると、乗り継ぎの時間が4分しかないのです。しかし列車は、10分以上遅れている。これはまずい、と焦り始めたときに、検札の女性車掌がやってきました。

私が乗り継ぎは大丈夫か、と尋ねると、ダメだ、この列車は遅れている、というのです。ICEが遅れている可能性もあるのではないか、と言うと、いや、それはない、というキッパリ返事。乗り継げるというから買った切符だ、それならルートヴィヒスルストで降りて次の列車に乗るべきか、この鈍行に乗り続けるべきか、と尋ねたところ、どこかに電話をかけ、「非現実的な乗り継ぎだ」云々と、強い口調でしゃべっています。結局、乗り継げる列車はないので、このまま鈍行でベルリンまで行くべし、という話になりました。夜の10時着が、11時になってしまう。一応「すみません」という言葉は出ましたが、実感はこもっていませんでした。

あきらめて、窓からルートヴィヒスルストのホームを眺めていました。乗り継ぎ時刻より、15分遅れています。するとホームがあわただしくなり、なんとICEが入ってきたのですね。もちろんあわてて荷物をまとめ、乗り換えました。このように、遅れるから困ることもあれば、遅れて助かることもあるのが、ドイツの鉄道です。

こういうところで過ごしましたので、戻ってきた日本が、別世界のようです。すべての列車が、事故のない限り正確に運行され、そのために、万全の配慮が払われている。秩序の維持も行き届いており、日本人はなんと優秀なのだろう、と心から思った次第です。

コメント

_ taisei ― 2013年07月13日 00時14分41秒

そうです!列車が遅れるのです。普通に。特急だろうが路面電車だろうがお構いなしに遅れます。ヴァルトビューネコンサートからホテルへの帰りに偶然一緒になったベルリン留学中の男子学生が言ってました。「郵便物は届かない、列車は遅れる、町は汚いし、おまけに飯もマズイ。」と悪口を散々。翌日、確かにベルリンからライプチヒに帰る時に、ベルリンのフィルハーモニーのガイドツアー(前日指揮したラトルがリハーサルをしていたりして)の時間が延びて、そこからベルリン中央駅に行くのにまごまごしていたら列車に遅れそうになって表示を見たら「15分遅れ」と。それでも切符売り場が長蛇の列で間に合わないと思って自販機と格闘して横の外国人にも助けられてやっと間に合ったとホームへ走ったらまだまだ更に遅れていましたね~。ドイツ以外の旅行客に散々聞かれていた駅員さんは悠然と「良くあることさ」的な対応でした。びっくりしたのは暑い日に遅れたお詫びかホームの待ち人に紙パックの水が無料で配られてました・・・。

_ 優@1&6&7&14&25&32 ― 2013年07月13日 23時17分57秒

確かに私も、鉄道は遅れる、銀行や税関、電話会社も要領が悪い、とダメダメづくしを経験しました。鉄道に関しては、たとえば遅れた場合、ホームにいる車掌に代替えルートを尋ねても、「わからない。駅で聞いてくれ」と話になりません。日本ならば、きちんと教えてくれる上に振り替え輸送もやってくれます。ただ私は一度だけ、定刻より前に列車に発車されてしまった経験があります。しかもイタリアで(笑)。 このためヴェローナに行くことができず、ヴェネツィアに向かうことになりました。自由に好きなところへ行く気ままな旅行でしたので、損することはありませんでしたが。

_ 波女 ― 2013年07月14日 13時34分17秒

住んだことのある南米でも、ヨーロッパでも、鉄道や航空機に限らず、テレビ番組は時間通りに始まらないとか、配達を頼んだら3日遅れでやっと来るとか、釣り銭を間違えるとか、様々な経験をしました。その都度、日本はなんて良い国で、日本人は、何と正確で優秀なのだろうと思いましたが、10年前の夏、JR三鷹駅(と書いちゃいます)で、腹立たしい経験をしました。前日ネットで予約した座席指定券、その日窓口で受け取るだけですが、40分くらい早く行きました。ところが、前売り券を求める人たちと同じ列に並ばされ、すでに私の前に40人くらいいます。1人1分としても、目的の列車の乗り継ぎに間に合いません。カード決済で受け取るだけだからと、JR職員に訴えても取り合わず「並んで」の一点張り。5分後の中央線快速に乗らなければ、特急の乗り継ぎに間に会わないところまで来て、大声で「済みませんが、列車に乗り遅れます、先にしていただけませんか」と言いました。私の前にいたお客さん10人くらい(すべて、その日に乗る客ではありません)が渋々譲ってくれ、窓口の職員が素早く処理してくれたので、切符と荷物を掴んでホームに駆け下り、やっと飛び乗ることができました。今のトシなら階段で転げ落ちるでしょう。正確で公平なのはいいけれど、余りにも融通の利かない官僚体質に、いま思い出してもお腹の中が煮え繰り返ります。外国なら仕方がないと思えますが、日本語の通じる世界で、こんなのは許せません。その後窓口は、当日乗車の受け取り客と、予約券を買う客用と、分けたみたいです。

_ I招聘教授 ― 2013年07月15日 02時38分30秒

う~ん、定刻より前に発車、というのはすごいですね。営業にもマイナスになるわけだから、常識では考えられません。さすがです(笑)。

_ ルビー ― 2013年07月15日 23時00分25秒

ほんとに~。そのおかげでヴェネツィア行きがまた素敵!ヴェローナはロミ&ジュリ気分でしたが《ベニスに死す》の街は惜しくも未体験(笑)。。
80年代末の東ベルリンのカフェで。金髪や栗色の髪の美男美女の店員さんたち…なのに、お水やメニューを持ってきたり、注文を取ったり運んだり、最後の会計に至るまで悉くエラく悠長。お客は少な目でしたが、あまり忙しそうに働く気風ではない感じで、適当に自分たちのお喋りも楽しんでいる様子。お散歩の途中ちょっとコーヒーを…と思ったのが甘くて、たっぷり時間がかかり過ぎて逆に疲れちゃいました。注文も少なすぎたのかしら(笑)?西側の方が日本とそうギャップ感はありませんでしたが、劇場や美術館など建物は東の方が、歴史的な重みのあるアンティークな雰囲気に浸れました。
南米のリオデジャネイロでは(90年代後半)、綺麗な腕時計や腕輪や指輪をしていると腕ごと切り取って持って行かれる…と脅かされて、劇場とホテル間の送迎バス乗り降り以外は一切外出禁止でした(車窓からだけでも観光気分でしたけど)。

日本は治安も優秀だし、ホテルの部屋でも寝衣まで置いてあって何不自由なく快適だし、季節感も四季折々に楽しめるし、地球儀を眺めても青い海に凛と浮かんでいてエレガントだし・・・本当に過ごしやすくていい国ですね!

話が古すぎルビー

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック