ヨーロッパ真摯の旅(2)ーー星の巡り2015年06月12日 15時35分19秒

最初にビジネスクラスを利用したときの感動は、いまも忘れません。その利点は精神的なものだというのが、私の持論です。

あるときそのことを指導の学生たちにとうとうと語っていたところ、あの、私、ファーストクラスに乗ったことがあるんですが、と、女子学生が遠慮がちに申告。航空会社の都合でということでしたが、座がしらけましたねえ。なぜならば、私のビジネスクラス礼賛は、ファーストクラスはこの世に存在しない、という見切りを前提としてしているのであって、じゃあファーストクラスは、という言葉がひとつでも出れば、その時点で瓦解してしまうものであるからです。

というわけで、どうしたら元がとれるか、熟慮しました。密室に入ってしまったら、あとは別れ別れ。むしろ差が出るのは、手続きの部分ではないだろうか。

エコノミーの荷物預けは、長蛇の列をなしますよね。一大難関です。そこで仮に、御常連のTAISEIさんがお客だったとしましょう。TAISEIさんはもういい加減並んで、いらいらしておられる。時間が迫ってきているので、時計を見ては、天を仰ぐ。足踏みが始まり、ため息さえ聞こえてくる。そのとき私がさっそうと現れて、ただちに荷物預けを済ませ、足取り軽く検査場へと消えていくーー。こんな情景が完成すれば、ビジネスクラスも元がとれると確信しました。

ところが、星の巡りが 悪かったようでーーー。シーズン外のせいか、エコノミーはガラガラ、にもかかわらずビジネスのお客は案外いて、行列の長さがほぼ同じだったのです(汗)。結局ビジネス、満席でした。やっぱり、景気が回復しているんでしょうか。

元をとらなければなりませんので、急いでラウンジを探し、白ワインの一気注入。行きにラウンジを活用したのは初めてで、少し元をとりました。ミュンヘン乗り継ぎでライプツィヒに、そう疲労なく到着。駅で荷物を預けて、そのままベルリンに移動、宿に入りました。翌朝、グダンスク行きの飛行機に乗るためです。