わかっていても ― 2008年02月11日 21時27分42秒
10日(日)から、「すざかバッハの会」の新しいシリーズが始まりました。この会の運営の秩序正しさは特筆もので、スタッフが入念な打ち合わせのもとに早い時間から集合し、手分けをして立ち働いています。その様子を見るにつけ、ここに植えた苗を大切に育てたい、と思う私です。
「バッハ最先端!」などと題し、専門性を高める方向に舵を切りましたので、どのぐらいの方が集まってくださるか、確信がもてませんでした。その点では安心のできる結果で良かったのですが、私の講演に関しては多々反省の残る結果となり、未だ木鶏たり得ず、という言葉を思い出しました。
私も人前で話すことは多いですから、それなりに努力と工夫は重ねてきました。でも、課題はいぜん多い。いちばんむずかしいのは、時間配分です。どうしても、素材を準備しすぎて、時間が足りなくなる。本当は、素材を少なめにしておいて、丁寧に、余裕をもって説明するのが上手なやり方です。素材が多すぎると、なんとか消化しようと駆け足になり、テーマをじっくり掘り下げることができなくなってしまうのです。わかっていても、そうなってしまいます。
今回は、新バッハ全集について、変ホ長調のプレリュードとフーガ(大曲です)についてお話しした前半が長くかかったため、後半の《マタイ受難曲》に、時間がなくなってしまいました。礒山が《マタイ》の話をするから覗いてみよう、という方が相当いらっしゃったようなので、申し訳ないことをしました。
話ながら自分で感じていたのですが、私はことバッハになると、一所懸命説明しよう、というスタンス一点張りになってしまう。本当は、リラックスして話を楽しんでいただきながら、大事なことを少しずつ織り込んでいく、という方がいいはずです。このあたりは、今後の課題として勉強したいと思います。
ともあれ、竜頭蛇尾は、確実に避けることができました。次は、4月13日。またがんばります。
コメント
_ おおばっは ― 2008年02月12日 21時13分46秒
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100人余りの方が聴講、この内3分の1が新しい会員でした。
バッハの音楽に対する関心の高さと、礒山先生のバッハのお話をお聴きできる「すざかバッハの会」の魅力を、本当にうれしく思いました。
それにしても、「バッハの会って、やっぱりバッハの音楽の講座ですね。良かった。バッハに戻ってほっとしました。」というご感想や、「モーツアルト講座」とはまた違った、より手応えのある力強い反応をいただいたときには!
新しい講座が始まったばかりというのに、2年間の講座への期待と、過ぎていくのがもったいないような気持ち、そしてこの先の「バッハの会」のことまで、ふと考えてしまいました・・・。