転んだ後の起き方2008年06月07日 22時11分00秒

今日は、朝日カルチャー新宿校の連続講座「新・魂のエヴァンゲリスト」第1回でした。教室一杯の受講生にお集まりいただきましたが、何十年バッハを聴き込んできている、という年期の入った方が大半で、気が引き締まりました。ウン十年ぶりに先生の授業を、という方もちらほら。嬉しいですね。

『魂のエヴァンゲリスト』の初めの方を縮小コピーして配布し、一緒に読むというのが基本コンセプト。途中音楽を聴き、不十分なところを修正したり、新しい情報を折り込んだりしてゆきます。23年前の本で長いこと読んでいませんから、今の自分がどう思うか不安だったのですが、そうひどくはないですね(笑)。当時なりに、よく調べてあります。

今なら書かない、肩に力の入った文章も目に付きます。でもそれは自分の若さと一体になっているので、部分的に書き直すことはできない。作曲家が若い頃の曲を、未熟ではあってもそのままにしておく理由がよくわかりました。しかしバージョンアップが必要なことは確かですから、この講座を重ねて、改訂版の準備をしたいと思います。

午後は立川校に移動し、管弦楽組曲の鑑賞講座。どうも話すネタに困るのがこの作品なので、仲間グループの録画映像を中心にするつもりでいました。ところが、それに対応するハードが、立川校にないことを忘れていたのです。他にはピノックのCDをもっていただけだったので、ショックで目の前が暗くなり、「ツキの総量は一定」というあの法則が、頭をかすめました。

考え込むこと、約3分。そのことで受講生の方が不満を感じてはなりませんから、映像なしをプラスに転化するべく、気合い3倍で、序曲や舞曲の説明、相互比較などを丹念にやりました。通じるもので、終わったら拍手をいただきました。やはり、具合が悪いことがあったときにそれをどうプラスにしていくかが真価の問われるところだと、認識した次第です。充実した1日になりました。

コメント

_ おおぐま ― 2008年06月08日 00時25分33秒

 そうですね、若い頃の自分と今の自分の違い、感じることはあります。
 幸い、私は演奏を主にやっているので、録音は残っていたとしても、基本的には毎回新しいものを目指していて、それがあまり違和感はありません。が、出版されてしまうと、それは後々までそのまま残りますものね。もちろん演奏も録音が残るということはありますが・・・ここは録り直したい、と思ってたら、全部新しいものを出せばいいわけですからね。

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