アリアよりイエス! ― 2009年07月20日 23時41分53秒
《マタイ受難曲》公演の打ち上げ(声楽)から帰ってきたところです。うち3人が、すぐ、あるいは遠からず、ヨーロッパに勉強に出かけます。この経験を生かして、しっかりがんばってきてください。
小玉さんの書き込みに、《マタイ》はアリアが魅力的なのに、イエスばかり頼まれる、とあり、興味を惹かれました。もちろん、慣行的な演奏形態で、合唱団+イエスを歌うバス歌手+アリアを歌うバス歌手、という形に分担されている場合です。
小玉さん、イエスを歌ってください(きっぱり)。私の考えでは、アリアの歌い手よりイエスの歌い手の方が格上であるべきで、エヴァンゲリストと比べても、イエスが格上でなくてはならない。イエスが際立った印象を残さないと、それこそ作品の成立根拠が問われてしまいます。
でも現実には、なかなかそうなっていないのですね。たとえばDVDの場合、リヒターの録画もコープマンの録画も、エース(ベリー、メルテンス)はアリアに回っていて、イエスはそれに及ばない、という印象を受けます。やはりイエスには、一世代前の歌い手で言えば、フィッシャー=ディースカウ、テオ・アダムといった超A級の歌い手が必要なのです。
ちなみに、実演で私の聴いた最高のイエスは大阪でのBCC公演におけるマックス・ヴァン・エグモントでした。それこそ後光の射すような、神々しいイエスに感動しました。たしか1991年で、エグモントがあまり歌わなくなってきた頃だったと思います。
コメント
_ こだま ― 2009年07月21日 22時39分16秒
そういえばテノールの畑儀文さんも「エヴァンゲリストは決してイエスよりも目立ってはいけない。どこまでドラマティックにするかの程度が難しい。」と仰っていました。22歳の時の初イエス(ヨハネ受難曲)以来すっかりバッハにはまっていますが、常に新しい発見が有ります。 Max van Egmond氏には《マタイ》をはじめバッハの主な作品は全てレッスンを受けましたが、師が舞台でイエスを歌っておられる姿は一度も拝見していません。残念なことです。
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