ゴルトベルクの年末 ― 2009年12月20日 23時17分39秒
19日の土曜日は、「楽しいクラシックの会」(たのくら)の、本年最終回。《ゴルトベルク変奏曲》の、「究極の聴き比べ」を行いました。
前半チェンバロ、後半ピアノに分け、3つずつの区切りで演奏者をリレーしていく、というやり方を考え、家からCDとDVDをもってゆきました。5人ずつ併せて10人になりますが、候補を絞りきれず、チェンバロ7人、ピアノ8人を持参。冒頭の〈アリア〉でオーディションをして絞り込みました。もちろん会員の挙手ですから、遊びです。ただし渡邊順生さん、レオンハルト、グールド新盤、シフあたりをシードとして分けておきました。ピアノ・セクションにおける会員諸氏の選択は、ちょっと意外なものでした。
結果的に、鈴木雅明→コープマン→ロス→レオンハルト→渡邊順生/グールド(新)→ペライア→コロリョフ(DVD)→ケンプ→シフの、豪華リレーが実現。詳しい比較は内緒にしておきますが(笑)、全体としてピアノ勢の優勢は否めないところでした。そういう曲なんですね。シフの第28変奏、第29変奏は驚くべきもので、各声部がデジタル的に、自立して聞こえてきます。完全にバッハのような頭になっているのでしょう、きっと。
午後は川崎に移動し、久しぶりにBCJの《メサイア》を聴きました。そうそう、今月のCD選は、渡邊さんの《ゴルトベルク》を、先月への補遺の形で1位にしました。これは本当にすばらしく、聴くたびに涙が出てしまいます。2位はゲルハーヘルのマーラー歌曲集(すごい切れ味)、3位はゲルギエフのショスタコーヴィチの交響曲第1番/第15番です。ゲルギエフは語り口がうまく、全然晦渋さを感じずにショスタコーヴィチを聴くことができるのですが、果たしてこれが本質であるのかどうかは、よくわかりません。
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