流行語大賞には ― 2010年01月08日 23時54分42秒
最近、ものすごくたくさん耳にするようになった言葉があります。それは、「思い」という言葉。鳩山さんが、次から次へと使う。「国民の皆さんの思いに・・・」とか、「・・・という思いはあります」とか。その言葉が引用されますから、「思い」という言葉、あたかも乱舞するがごとき印象があります。
それに違和感を抱くのは、「思い」という言葉を、私は一度も使ったことがないからです。「私の考えは」とはしばしば言いますが、「私の思いは」とは、私は一度も言ったことがない。皆さん、どうでしょう。もちろん、正しいとか間違っているとかいうレベルではありません。立派な日本語で、意味はわかります。しかし、使ったことのない私から見ると、これはあるときある理由から、ある範囲の人たちによって使われるような言葉ではないか、と思うわけです。たとえば翻訳書で「思い」という言葉を見た記憶を、私は思い起こせません。
「思い」という言葉は、あいまいだと思うのです。これはなかなか主観的な言葉で、願望も入っていれば、思い入れも入っている。「考え」であれば理知的に整理できますし、反駁もできる。しかし「思い」となると、人それぞれということになって、反駁はできないと思います。それが政治的なコンテクストで重要なタームになっていいのだろうか、という思いがあるわけです。
いま初めて使ってみました。いつごろから一般化した言葉なのか、知りたいと思います。
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