陽気なアメリカ人2010年01月09日 22時22分22秒

午前中、新宿の朝日カルチャーでバッハの最晩年の話をしてから、武蔵野文化センターへ。来週いずみホールに出演されるジェイムズ・デイヴィッド・クリスティーさんがこの日は武蔵野でコンサートをなさるので、挨拶に伺うのです。

こんなときいつも気が重いのは、英語に自信がないから。もじもじと待つことしばし、食事に行かれたクリスティーさんが戻ってこられたのは、1時半からの開場がまもなく、という頃でした。

でも挨拶したとたんに、私はクリスティーさんが大好きになってしまいました。明るくフランクで、何もここまで、というほど、友好的。重いウィスキーをアメリカから運んできてくださったのには驚きました。こういううれしい出会いになると、英語がどんどん出てくるから不思議です(笑)。

日本は2回目で、1度目は小澤征爾指揮のボストン響に同行されたとか。サン=サーンスのオルガン交響曲を演奏されたそうです。あなたはオルガニストですか、と聞かれたので、そうです、と言いたかったのですが、うそは言えませんから、音楽学者、バッハ研究家です、と申し上げました。「じゃ、クリストフ・ヴォルフをご存じですか」「はい。(ボストンにお住まいとわかったので)ジョシュア・リフキンは私の友達ですよ」「そうですか。リフキンの《ロ短調ミサ曲》でオルガンを弾いているのは私ですよ。」「へ~。リフキンは昨年来日して、《マタイ受難曲》を指揮したんですよ」「日本人のメンバーでですか」「いや、第1グループはボストンから来た若い人たちで・・・」といった会話が続き、思いの外身近な方だったことにびっくりしました。

《フーガの技法》のコンサートは前半のみ聴いて次の目的地、紀尾井ホールへの向かいました。情熱的で闊達、フーガが複雑になるほど、雄大に盛り上がる演奏です。関西の方、14日はぜひお出かけください。