ヴォルフもいいですね2010年07月02日 23時48分01秒

7月ですね。今までは7月の声を聞くと「学期末」という雰囲気でしたが、最近は7月下旬まで授業が及ぶようになりましたので、まだまだです。

「ドイツ歌曲作品研究」の授業はシューベルト、シューマン、ブラームスと来て、今日はヴォルフの《メーリケ歌曲集》を取り上げました。ヴォルフを専攻する博士後期課程の山崎法子さんにヴォルフの紹介と模範演奏をしていただき、その後学生と、2曲を勉強。山崎さんの話と演奏はヴォルフに注ぐ情熱、作品と作曲者への理解、演奏に盛り込まれる共感において出色のもので、私はこれだけの話と演奏のできる人が何人いるかと思い、じつに感動してしまいました。この力量が、将来の論文に生かされて欲しいと思います。

ヴォルフの歌曲には、私の好きなワーグナーのエッセンスが凝縮されていますね。〈庭師〉は〈ワルキューレの騎行〉のミニチュア版の趣がありますし、〈彼〔春〕だ!〉の、「お聞き!遠くからかすかなハープの響きが!」のくだりの和声も、ワーグナーそのもの。でもそれが、マクロの芸術に対するミクロの芸術になっているのが、じつに洒落ています。

午後の「音楽学研究」(3年生)の授業は、11月の研究発表会に向けて、準備をしています。交互に司会し、レポートを提供し合うチームワークはなかなかで、テーマとなる「ポロネーズ」に関する情報も、蓄積されつつあります。次いで、「西洋音楽研究」の授業(2年生)。「小さな主張」を盛り込むという課題のもとに持ち回り発表をしているのですが、学生の意欲がきわめて高く、相互啓発もあって、教室に行くのが楽しみです。

放課後、博士論文関係の指導2人。着実に進歩が見えたのは何よりでしたが、さすがにこれだけやると限界。もう仕事はできませんので、夜は巨人戦など楽しみ、今はワインを飲んでいます。あと1年半で、教師生活完遂です。人生、あとはどうなるのでしょうか。