貫禄不足2010年07月19日 11時44分48秒

仕事柄、重い役割を振られることは、避けられません。5月の国際学会もそのひとつでしたが、16日(金)のパーティも、役割、重きに過ぎるものでした。パーティは、毎日新聞の仕事でお世話になっている、梅津時比古さんの「日本記者クラブ賞」受賞式。各分野の記者たちがしのぎを削るマスコミ業界で、クラシック音楽の担当者が受賞するというのは、すごいことですね。事実、初めてのことだそうです。この分野が併せて脚光を浴びることを、喜びたいと思います。

でも、喜んでばかりはいられない。なにしろ、そうそうたる発起人の名前で成立したパーティの乾杯の音頭が、私に振られていたからです。学会のパーティですと、乾杯の音頭は、最年長者が通例。今回は年長者、有名人が目白押しですので、本当に私でいいの、と問いかけざるを得ない状況になっていたわけです。

開始前、司会の女性に、私は何番目で、前に誰がスピーチするか、尋ねてみました。回答は、衝撃的。私は4番目で、先行する3人は、毎日新聞の朝比奈社長、文芸界の大御所、丸谷才一さん、声楽界の大御所、畑中良輔先生だというのです。そのあとで私が「乾杯の音頭」とは、何と恐ろしいことでしょうか。

会が始まってわかったのは、先行する3人が、スピーチの名人だということです。自在な語り口で聴き手をつかみながら、ユーモアたっぷりに、梅津論を展開する。私はといえば、型どおりの原稿を書いてきて、読み上げて務めを果たそう、としておりました。

というわけで、大先輩たちに完全に位負けし、どっと疲れの出るパーティでした。でも視点を変えれば、まだまだ人生には先の課題がある、とも言えそうです。今後は、乾杯してもおかしくないような貫禄の醸成に、努めたいと思います。