ドイツ旅行記(13)--最後の訪問地2012年06月29日 23時51分59秒

15日(金)。バイエルン国立歌劇場に面した広場で、友人たちと昼食。舌鼓を打った白アスパラガスはもう終わりでしたが、Piffaringeというキノコが美味でした。もう1日泊まり、明日の飛行機でドレスデンに行けばいいじゃないか、という勧めを振りきって、帰路へ。ドレスデン発の帰国便はミュンヘンで乗り継ぎになりますので、チケットの帳尻を合わせるために飛行機代を払うのは、ばかばかしい。だったら大活躍してくれたジャーマン・レイルパスを使って、もう1箇所、観光しようと思いました。

バッハがらみのスポットでできれば訪れたかったのが、マイニンゲンです。バッハはここの領主が書いた宗教詩をカンタータでいくつも使っていますし、宮廷楽長、ヨハン・ルートヴィヒ・バッハのカンタータも、ライプツィヒでたくさん演奏している。ザンガーハウゼンよりもむしろこちらを見ておきたいという気持ちが、募っていました。

しかしどう考えても、テューリンゲンの奥深くローカル列車で入ると、時間があぶない。それにこの期に及んで、名もない旧東独の乗り継ぎ都市に宿を探す面倒はしたくありませんでした。ミュンヘンからドレスデンへは、ニュルンベルク、ナウムブルク、ライプツィヒと経由するのが順路です。その途中にスポットを探し、バンベルクを訪れるのが最良、という結論を出しました。バンベルクはワインの本場、フランケン地方の都市。バンベルク交響楽団の本拠地で、世界遺産にもなっています。バイロイトにも近いところです。

バンベルク、良かったですよ。カトリック信仰の一大中心地という感じで、旧市街には、大聖堂を初め、大きな教会が密集。ホテルをとった新市街から、水量豊かな川を渡り、新市街に入っていきます。絵のような風景です。


楽器をもった人たちにもずいぶん出会いました。きっとオーケストラのメンバーでしょう。しかし金曜日の夜だったせいか、町は享楽ムードに溢れていました。ワインのレストランで飲んだフランケンのアウスレーゼは抜群でしたが、肉の料理は、もう喉を通りませんでした。写真は大聖堂です。


翌日列車でドレスデンに戻り、空港のコインロッカーが無事に開いて、私の旅が終わりました。機中で、篠田節子さんの『彌勒』を一心不乱に読み、読了。この方の小説には、思想がありますね。短兵急な主張ではなく、本質的な価値観の問いかけが行われていて、奥が深いのです。

長いことお付き合いありがとうございました。次の更新で、旅行を総括します。

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