川崎2013年02月24日 08時18分24秒

私の何かと立ち寄る町が、川崎です。南部線の谷保駅近くに住んでいますので、たとえば羽田に行くのは、川崎で京浜急行に乗り換える。それ以上によくあるのは、横浜で定期的にある仕事の前後に、川崎でお昼を食べることです。

23日(土)は早く起きましたが疲れていて仕事に集中できず、早めに出てゆっくり食事することにしました。仕事(朝日カルチャー横浜校)は1時から3時までですが、仕事前はあわただしい上にお店が混んでいるので、たいていは終わってからゆっくり食べます。しかし朝早く起きると、食べてから、と言う方が、調子がいいわけです。

いつもは当然東口を探索しますが、違うところにも行ってみるという最近の方針で、西口に出てみました。最近は川崎ミューザでたまにコンサートを聴く以外来たことがなく、いくつかお店があれば、というぐらいの気持ちで下車しました。

そうしたら、巨大な集客施設があるではありませんか。「ラゾーナ川崎」というそうです。広さも店舗数も目を見張るばかりで、人の流れがすごい。おいしそうなお店がたくさんありましたが、混んでもいたので結局見るだけで時間切れ。終了後再訪問して、お昼を食べました。ただし、レストラン選びは失敗でした。

川崎市は人口が140万以上あり、ミュンヘンより大きい。いままであまり人が多いという感じを受けませんでしたが、それは人の流れが東口から西口に移っているためだということがわかりました。「ラゾーナ川崎」のスケールの大きさに驚く一方で、商売の厳しさを実感。どこでも人口は減少しているわけですから、実態は、パイの奪い合いなのだと思います。

躍動する女子高生2013年02月25日 10時02分04秒

タイトルを見て、オッと身を乗り出されたあなたに質問。「池鯉鮒」と書いて、何と読むかご存じですか。では、「知立」は?

正解はどちらも「ちりゅう」。東海道の宿場町で、前者が当時の名、後者が今の市名です(にわか勉強)。その昔、在原業平を慕って八橋というところまで彼を追ってきた来た姫が入水し、そこに美しいかきつばたが花開いたという「姫塚」の民話が、この地(愛知県)にあるそうです。その哀しい物語から一連のオリジナル芸術を作り出し、「まちおこし」として展開しようというのが、「ちりゅう芸術創造協会」の構想。24日(日)に「パティオ池鯉鮒」(写真の総合文化施設)を訪れ、その本年度版であるダンスのイベントを見てきました。


演出・振付・主演を兼ねたダンサー、森山開次さんの新作、「光・かきつばた姫」に、すっかり魅了されました。現代の教室から当時を振り返る構想がじつにしゃれていて、近隣の光ヶ丘女子高校ダンス部の生徒たちとの強い連帯感のもとに、ステージが進められます。しゃれているといえば、板倉ひろみさんの作曲がまたいい。その質の高い音楽を、舞台奥のオーケストラ(角田鋼亮指揮の愛知室内オーケストラ)がしっかりと届けてきます。何より、ダンス部の女子生徒たちの若さ全開のパフォーマンスが圧巻。数十人が水も漏らさぬ統一をなしながら、一様に、キラキラした個の光を放しているのです。

地域に密着しつつ、これだけ質の高いオリジナル・イベントを作り上げるのはたいしたもの。企画に脱帽です。


「日本のうた」20132013年02月27日 09時39分53秒

まごまごしていると、もうすぐ3月。私の仕切るコンサートが3つありますので、順次ご紹介します。最初に、8日(金)の14:00(←平日コンサートの枠)から始まる、「日本のうた」の今年度版について。

今回は、「なつかしの民謡、励ましの民謡」と題してお送りします。出演は、ソプラノの菅英三子さん、テノールの中井亮一さん、バリトンの三原剛さん、ピアノはもちろん花岡千春さん。菅さん、中井さんとは初めてご一緒するので、楽しみです。

「なつかしの」民謡は、前半を構成する外国民謡のイメージ。「励ましの民謡」は、後半を構成する日本民謡のイメージです。それぞれ2つの部分に分かれています。

第1部は、「唱歌になった外国民謡」。唱歌の始まりが明治10年代に出版された『小学唱歌集』全3部にあることはご存じの通りですが、第1部から第3部にかけて、課題が急速に高度になっていくことに驚かされます。その中で外国民謡が、やはり光っているのですね。よちよち歩きの第1部から《うつくしき》を、第2部から《霞か雲か》を、第3部から《才女》を演奏します。《才女》は《アニー・ローリー》として知られる曲の、もとの形です。加えて、讃美歌としても知られる《星の界》と、重量感のある《故郷を離るる歌》を演奏します。

第2部は、「日本語で親しまれた外国民謡」のナポリ民謡編。いわゆるナポリ民謡が一世を風靡したのは1960~70年代だったでしょうか。当時みんなの覚えた日本語の歌詞で、超美声の中井亮一さんに4曲歌っていただきます。《サンタ・ルチア》《忘れな草》《マンマ》《フニクリ・フニクラ》です。

第3部は、山田耕筰の日本民謡編曲。芸術歌曲のように精緻な楽譜の中に、民謡特有の要素をクラシックの表現と融合させようとした、耕筰の努力が窺える曲たちです。最後はオリジナルの《松島音頭》をにぎやかに。これ、いつかやってみたいと思っていました。

第4部は、耕筰後の日本民謡編曲から、石井歓のステージ向き編曲を2曲、間宮芳生さんのライフワークから、初期のものを3曲。このあたりは花岡千春さんにご教示いただき、私も勉強しました。多くの方にお聴きいただければ幸いです。

3月のイベント2013年02月28日 07時57分31秒

時間が迫っていますので、講座関係のイベントを先にご紹介します。

朝日新宿校の世俗カンタータ講座は、3月2日(土)10:00が最終回です。世俗カンタータの豊饒を実感して、自分としても勉強になる講座でした。最後に残ったのは、2曲の結婚カンタータ。大曲のBWV210と、ひと頃話題になったBWV216です。

3月3日(日)は、まつもとバッハの会(14:00、松本深志高校教育会館)。「編曲を考える」というとマイナーなテーマのようですが、バッハの作品のかなりは、事実上の編曲です。コラールを扱った作品がたくさんあるからです。そこで、コラール、パロディを中心にお話しし、最後を後世の編曲で締めます。

16日(土)10:00は楽しいクラシックの会(立川)の例会で、《ローエングリン》の第2幕を扱います。14:00から「錦まつり」の重要イベントがあるのですが、これは別途ご紹介します。

23日(土)13:00は朝日横浜校のエヴァンゲリスト講座。今月は「シャイベのバッハ批判」がテーマです。シャイベはハンブルクの音楽理論家という認識ですが、その作品がじつはライプツィヒでたくさん演奏されていたという情報が、新しい『バッハ・ヤールブーフ』に出ています。