《マタイ受難曲》公演のお知らせ ― 2009年04月11日 22時45分25秒
《マタイ受難曲》の公演は、6月の中旬になります。
東京公演1 6月14日(日) 14:00 杜のホールはしもと 6000円(25歳以下の学生4000円) 主催:相模原市民文化財団
東京公演2 6月16日(火) 18:30 杜のホールはしもと 主催:同上
大阪公演 6月18日(木) 18:30 いずみホール S:8000円 A:6000円 学生;4000円 主催:いずみホール
長野公演 6月20日(土) 14:00 須坂メセナホール 3500円(当日4000円) 主催:すざかバッハの会
詳細については、それぞれのホールまたは主催者のホームページをご覧ください。
私がらみの今月のイベントです。
12日(日) 14:00 すざかバッハの会「バッハ最先端8」
17日(金) 19:00 杜のホールはしもとにおける第1回セミナー「《マタイ受難曲》--その広大な作品世界」
18日(土) 10:00 楽しいクラシックの会「《マタイ》の前は《ヨハネ》」
25日(土) 13:00 朝日カルチャーセンター横浜「バッハの《ヨハネ受難曲》」
よろしくお願いします。
4月のイベント(総論) ― 2009年04月10日 23時43分50秒
今日、「基礎ゼミ」が終わりました。来週から授業開始で、ゆとりのない毎日です。なんとか、乗り切りたいと思います。
遅くなったイベントのお知らせです。今月の諸講演はすべて、6月の大きなイベントを指し示しています。それは、ジョシュア・リフキンを招いての《マタイ受難曲》ツアー。私はその音楽監督です。今年のもっとも重要な出来事と位置づけていますので、皆様、ぜひお力をお貸しください。
リフキンを招いての公演ですから、全パート1人ずつの重唱方式は当然。CDでこの「リフキン方式」をとっているのは、マクリーシュのアルヒーフ盤だけです。器楽も当然、ピリオド楽器になります。
《マタイ受難曲》におけるリフキン方式の利点は、この受難曲の特徴であり本質である、2つのアンサンブルの対話が生かされることです。普通の《マタイ受難曲》公演では、2つの合唱グループの前に4人のソリスト、そしてエヴァンゲリストとイエスが並びますよね。本当は、ソリストは両グループのトップ歌手が歌うべきで、8人必要なのです。それではお金がかかりますから、第1グループの担当するアリアも、第2グループの担当するアリアも、同じソリストが兼ねています。本当は、それではだめなのです。
このアリアは第1グループ、このアリアが第2グループという仕分けは、内容的にも重要な意味をもっています。一般の公演ではあいまいになりがちなこの対話コンセプトが、今回はひときわ明瞭に実現されるはずです。なぜならば今回は、第1グループがアメリカ、第2グループが日本の若手によって編成され、国境と文化を超えた対話となるよう、考えられているからです。第1グループ、すなわち出来事を間近で見守る「シオンの娘」は、ボストンに本拠を置くケンブリッジ・コンツェントゥス。第2グループ、すなわち離れたところから案じて問いかける「信じる魂」は、私の主宰する「くにたちiBACHコレギウム」に、芸大系の方々を加えて編成します。リーダーは桐山建志さん、通奏低音は大塚直哉さんです。
こうした国際的な共演は、《マタイ受難曲》のコンセプトを新しい形で生かすものだと確信しています。詳細は、次の更新で。
旧著の見直し ― 2008年01月30日 23時05分25秒
翻訳のむずかしさについて書いたのは、拙著『マタイ受難曲』(東京書籍)が増刷していただけることになり、全体を見直して、訳にも多少の修正を行ったためです。細かいことがいくらでも書いてある本で、途中で退屈し、居眠りしてしまいました(笑)。大勢の方がよくこれを読んでくださっているものだと、驚くやら、ありがたいやら。一般の方には不必要なことも多いかと思いますが、執筆も学者の職責のうちなので、学術書として認めていただくために、どうしても専門的な情報の記述は必要なのです。好きなだけ書いていい、と言ってくださった東京書籍に感謝します。
年と共に文献は増えますし、CD、DVDも出てきます。今回、ページ構成を動かさない範囲で、なんとか、補遺を滑り込ませました。CDでは一貫してレオンハルト盤を推薦していますが、今回聴き直して、アーノンクールの3度目の録音が、じつにすばらしいという印象をもちました。最高の歌手をずらりと揃えながら、指揮者の統率で、言葉のメッセージに強く集中した演奏になっています。たいへんな貫禄。純粋古楽の様式ではもはやありませんが、古楽とモダンの接点を追究したいと思っている私には、とても勉強になりました。
足らざる情報、欠けている勉強を何とか補いつつ、前進しています。
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