清浄な空間で ― 2008年03月09日 22時55分30秒
2月27日(水)には、「バッハの宇宙」シリーズの番外編として、オルガン・コンサートを開催しました。もちろん、相模大野グリーンホールではできませんから、青山学院大学相模原キャンパスのウェスレー・チャペルをお借りすることになりました。
快晴の日。横浜線淵野辺駅に初めて下車。南東の方面に歩き、やや町を離れたころ、眼前に忽然と、豪華な建築群があらわれます。これが相模原キャンパス。すごいですねえ。いま大学はどこも学生減で四苦八苦していますから、よくもこんな立派な校舎が建てられるものだなあ、と、素朴に感心。キャンパス中央にあるチャペルがまた優雅のきわみで、美しいステンドグラスに彩られています。
これだけ清浄な空間だと、罪深い自分がステージに上っていいのかと、まことに恐れ多い気持ちになります。聞くところでは青山学院の起点にあるメソジストという流派は、生活を律し、悔い改めの精神をもつことを尊重するとか。たしかに、そんな気持ちになりました。このちょっと浮世離れのした空間にしつらえられたデンマークのオルガンを使って、コンサートは行われました。
演奏家は、専属オルガニストの筒井淳子さん。リハーサルのときから、歴然と緊張しておられます。まじめで折り目正しい、その意味では場にふさわしい方なのです。あとでお聞きしたところでは、緊張のあまり、花粉症が治ってしまわれたとか。出演者と解説者の緊張の総量はどうやら一定であるらしく、筒井さんが緊張してくださればくださるほど、私はリラックスしてお話しできました。
《トッカータ、アダージョとフーガ》、私の好きなニ短調のトリオ・ソナタ、《パッサカリア》に2曲のコラールを加えたコンサートは、清潔感あふれる筒井さんの演奏で、気持ちのいいひとときになりました。オルガンの実演は、見てとても面白いものです。対話の中でストップの説明や比較を行っていただいたことも、いい勉強になりました。バッハのためにも、オルガンのコンサートがポピュラーになるといいと思います。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。