力強さは音量に依存せず2008年05月18日 23時26分10秒

皆様は、ベートーヴェンの交響曲を、ピアノ・トリオ版で聴きたいと思いますか。たいていの方は、ノーとおっしゃるでしょう。ダイナミックな迫力が肝心ですからね。そのトリオが、ピリオド楽器だったら?ますます敬遠しますよね。音が、さらに小さくなりますから。

ところが。

今月のCD選のために「浜松市楽器博物館コレクションシリーズ14」(LMCD1858)と題する1枚を聴いて、度肝を抜かれてしまいました。冒頭に交響曲第2番が入っているのですが、その力強く迫力に満ちていること、また盛り上がりの白熱していること、オーケストラと比べてまったく遜色がない。いや、たいていの演奏を凌駕しています。音楽の本質的な力は、人数や音量によらない、ということがよくわかりました。カップリングのピアノ協奏曲第4番も鮮やかです。

小倉喜久子(ワルターのフォルテピアノ使用)、桐山建志、花崎薫のお三方に、心から敬意を表します。皆さんもぜひお聴きください。