2008年05月26日 23時44分50秒

今日のニュースで、火星の北極の貴重な映像が配信されていました。それなのに、さして感銘を抱かない自分に驚きます。なぜなら、小学校の頃私は天文少年で、望遠鏡を組み立て、宇宙への夢をふくらませていたからです。年をとったのでしょうか、それとも、今もう宇宙に夢を抱く人は少ないのでしょうか。

やはり、宇宙がどういうところか、科学が教えてくれたことが大きいと思う。宇宙旅行の小説に、わくわく感をもてなくなりました。もうひとつは、星を見る経験をさっぱりもてないことです。長いこと、星らしい星を見ていません。やはり星を見る経験が、人間のロマンを育てるのではないでしょうか。ワーグナーの《タンホイザー》第3幕の〈夕星の歌〉など、星を見てはるかに思いをはせる経験がなければ湧いてこない音楽だと思います。

小学校5・6年生の頃、松本の郊外から見た夜空は、ものすごいばかりの星の数でした。彗星が長大な尾で天を掃いていた光景も覚えていますが、やや暗めの星でしたから、今なら話題にならないかもしれません。最近は自然の中に泊まっても、灯火が闇を邪魔していて、星が見えないことがよくあります。昔は良かったな、と思うことのひとつです。