珍しい飲み会 ― 2009年07月28日 23時32分28秒
今夜は、最近よく使っている国立のロシア料理「スメターナ」で、前期の授業科目「歌曲作品研究」の打ち上げ。参加した学生は男女4人ずつの8人でしたが、今どき珍しい光景を目にしました。
というのは、1人置きに座った男子学生が会話を完全に主導し、女子学生が聞き役にまわっていたのです。自分の若い頃はたしかにこれが普通でしたけれども、最近の飲み会は女子学生がにぎやかに主導し、男子学生は隅でおとなしくしている、というのがほぼ定番でしたから、びっくりしました。これはこれでなかなかいい形だと思いましたが、偏見でしょうか。
何を話したかが問題ですよね。みんな音楽が大好きで、音楽について熱く語り合う、という、音大ならではの形で進みました。この話題がロンド主題であるとすれば、エピソードは、異性に関するさまざまな思いでした。楽しかったですが、「ドルチェ」がありませんので、一次会で散会です。
今どきの異性観 ― 2009年07月30日 00時15分14秒
火曜日の飲み会。合コンさながらの展開になったエピソード部分のさわりをご紹介します。
男子側から女子側に、デートのさい、次のどちらの方が好ましいかを尋ねました。①連れて行きたい場所を考えておき、「いいところだから、~に行こうよ」と働きかける。②「どこに行きたい?」と女性の意向を訊く。
これは、4名の全員が①と答えました。なるほど。次に、「どういう男の人に惹かれますか」という、月並みかつ定番の問いかけ。どんな返事が出てくるか、私も興味深く耳を傾けました。
「自分のやりたいことがはっきりしている人」「自分の世界をもっている人」という答が複数。代表的な返答かもしれませんね。でも現代は、自分の世界に入り込んでしまっている人、というのが案外多いようなので、そこからしっかり出てきてくれる人、という条件付けが必要なのではないか、と思ったり。やっぱりオタクでない方がいいでしょ?
おひとり、「叱ってくれる人」とおっしゃった方があり、これにはのけぞってしまいました。でもよく考えてみると、これって、なかなかの名答ですよね。それだけの内容と蓄積のある男性を求めているわけなので、高いハードルを設定していることになります。別の見方をすれば、それだけの高い目標を目指してがんばれば、待っていてくれる女性がいる、ということです。ともあれ、伝統的な価値観の方がまだたくさんいらっしゃることがわかり、少しうれしい気持ちになりました。
そこで私は、ある若々しく爽やかに見える芸能界の男性を思い浮かべ、「J.I.さんなどいかがでしょうか」と尋ねたところ、4人とも、そこはご遠慮したい、とのお答えでした。
こんなことを書いている拙宅にも、今回、別館ができることになりました。本宅とは別に、自由に話題を交換していただけるスペースです。ぜひご活用ください。http://groups.google.co.jp/group/alt-prof-i
クラヴィコード! ― 2009年07月31日 23時51分25秒
水曜日は、バッハ研究所の前期最後のイベント。会場には渡邊順生さん秘蔵の楽器(クラヴィコード、チェンバロ、フォルテピアノ)とポジティヴ・オルガンが並び、それらを試奏しながら、大塚直哉さんがバッハと彼の楽器、およびその演奏法についてレクチャーするという、贅沢きわまりない企画でした。
バッハ研究の最先端の情報に精通した大塚さんのお話・演奏は世界的にみても最高レベルのものでしたが、私がとりわけ印象深かったのは、クラヴィコードです。ごく小さな、しかも精妙な音に集中して耳を傾けると、そこに広いファンタジーの世界が広がっている、というのは、私が最近もっとも貴重だと思っている音楽体験の形です。
終了後、クラヴィコードの周囲に人が集まったことは言うまでもありませんが、渡邊さんがそこで愛を込めて演奏した《平均律》の変ホ短調プレリュードの美しさは無類のものでした。「この曲はクラヴィコードがいいねえ」と申し上げたときの、嬉しそうな顔ったら。
レクチャーでは、〈私は満ち足りている〉のレチタティーヴォを、ソプラノの鏑木さんと4種の鍵盤楽器で演奏するという試みも行われました。え、クラヴィコードで歌の伴奏できるの、と思いたくなりますが、これができるのですね。アンナ・マクダレーナはおそらく終始ソット・ヴォーチェで、クラヴィコードのかそけき響きに耳傾けながらアンサンブルを楽しんだことでしょう。歌の伴奏か、じゃ音量のある楽器じゃなくちゃ、と考えてしまうのが、近年の音量主義。楽器が違えば、歌い方もまったく違ったにちがいないのです。
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