真の「気鋭」による好著2009年11月30日 23時06分00秒

昨日、朝日カルチャーの帰りにオリオン書房に寄り、音楽学、歴史、神学などの文献を大量に買い込みました。戻ってからページを繰っていてすっかり感心したのが、広瀬大介さんの『リヒャルト・シュトラウス 「自画像」としてのオペラ~《無口な女》の成立史と音楽」という本です(アルテス・パブリッシング)。

別のところに書くことにしましたのでここで書評をするわけにはいきませんが、私が感心したのは、この本が単なる解釈の提案ではなく、思いつくかぎりの多様な視点から作品を分析し考察した、精緻にして正統的な研究書になっていることでした。若いのにこの正攻法は、たいしたものです。作曲家シュトラウスやそのオペラ作品を知るために、避けて通れない文献になることでしょう。

最近ドイツ系のオペラを見に行くと、解説はたいてい、広瀬さん。こういう人をこそ、「気鋭」と呼ばなくてはなりません。

コメント

_ chu-intermezzo ― 2009年12月01日 02時19分56秒

コンサート会場で広瀬さんの解説・楽曲分析に触れると、真っ先に家に帰ってスコアと照らし合わせたくなります。(漫画雑誌の付録を開ける小学生のようなウキウキした気分で。笑)
実際にスコアと照らし合わせなくても、ある程度音が頭に入っていれば大体わかるという、本当に親切な文章を書いて下さります。
批評も、実際に聴いていなくても目に(耳に)浮かぶような、鮮やかな色彩感があって、磨き抜かれた審美眼に感動のため息が。学生の頃からずっと尊敬しています。

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