松本ブランデンブルク紀行(4)--全曲演奏2010年02月03日 23時28分20秒

バッハは《ブランデンブルク協奏曲》が全曲通して演奏されるようなコンサートを、想定していたでしょうか。多分、していなかったと思います。曲ごとに編成が全然違うというのでは、効率よく演奏するわけにいきません。ブランデンブルク辺境伯の宮廷では演奏しようがなかったことはよく指摘されていますが、同時代にはせいぜいドレスデンぐらいしか、演奏可能な楽団はなかったはずです。

しかし日曜日のコンサートを聴いて、全曲演奏することの効果はたいへん大きいと思いました。曲ごとに多様性がありますから変化に富んでいる。いろいろな楽器が出てくるので、目で見ても面白い。かなり長くはなりますが、飽きることがありません。

それも、ピリオド楽器であればこそです。ナチュラルのホルンやトランペット、トラヴェルソやバロック・オーボエ、さらにはヴィオリーノ・ピッコロといった楽器が登場すればこそ、面白いのです。編成も、小さい方がいいですね。第3番、第6番は、ぜったいにソリスト編成であるべきだと思います。この日は、第1番、第3番、第4番、休憩、第6番、第2番、第5番という演奏順序が採用されました。(続く)