人間のいない世界 ― 2010年06月18日 23時44分36秒
聖心女子大学の授業、新約聖書の内容を追いながらそれにちなむ音楽を紹介して、復活、終末と進んできました。復活のからみで紹介したのが、ノートルダム楽派のオルガヌム(12-13世紀)。終末との関連で紹介したのが、メシアンのオルガン曲《鳥の歌》でした。前者にはヒリヤード・アンサンブルの、後者にはマルクッセンのDVDがあります。
こう並べてみて、中世と20世紀の親近性を痛感。この不思議な魅力の共通点は何だろう、と思っていて気がつきました。どちらの世界にも、人間がいないのです。人間がかかわってはいても、その音楽は、人間の向こう側の世界をはっきり指し示している。メシアンの音楽が、ことにそうです。
われわれが平素親しんでいる音楽にも、鳥はたくさん登場します。しかしそれは、人間の世界に住んでいる。自由に飛翔する鳥へのあこがれが歌われたり、鳥に恋人への思いを託したり、ナイチンゲールに恋の嘆きを聞いたり、というのが、音楽における、われわれの鳥とのかかわりです。
しかしメシアンの音楽には、鳥の声だけがある。ものすごい耳で聴き取られ、精密に採譜された鳥の声は、この世を超えた透徹の世界で、神への讃美を歌っています。これってすごいなあ、と思うようになりました。
こう並べてみて、中世と20世紀の親近性を痛感。この不思議な魅力の共通点は何だろう、と思っていて気がつきました。どちらの世界にも、人間がいないのです。人間がかかわってはいても、その音楽は、人間の向こう側の世界をはっきり指し示している。メシアンの音楽が、ことにそうです。
われわれが平素親しんでいる音楽にも、鳥はたくさん登場します。しかしそれは、人間の世界に住んでいる。自由に飛翔する鳥へのあこがれが歌われたり、鳥に恋人への思いを託したり、ナイチンゲールに恋の嘆きを聞いたり、というのが、音楽における、われわれの鳥とのかかわりです。
しかしメシアンの音楽には、鳥の声だけがある。ものすごい耳で聴き取られ、精密に採譜された鳥の声は、この世を超えた透徹の世界で、神への讃美を歌っています。これってすごいなあ、と思うようになりました。
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