振れる振り子2011年11月16日 16時48分41秒

15日の《ロ短調ミサ曲》練習で、初めて3本のトランペットとティンパニが入りました。名手島田さんを中心としたナチュラル・トランペットの効果はなかなかで、この楽器がよみがえってこその《ロ短調ミサ曲》である、との思いが湧き上がりました。その響きを至近距離から体験できる29日(火)18:00からの学内発表会を、ぜひ聴きにいらしてください。〈グローリア〉の最初と最後の合唱曲と、〈ニカイア信条〉の全曲を演奏します。会場はSPC(正門を入り、突き当りを左)です。

そんな経緯でふたたび《ロ短調ミサ曲》に気持ちが動き、両名曲の間で、振り子のように揺れる私です。企画解説でさまざまなコンサートを手がけますが、いつも迷うのは、演奏に対してどこまでアドバイスするか、ということ。プロ野球で言えば私の仕事はGMですから、現場に口を出すのはよくないことです。しかしちょっとした説明や提言がきっかけとなって演奏が引き締まることもよくあるものですから、私が上に立つ今回のような場では、あえて注文を出すことも行なっています。あまりに言いにくいような雰囲気になっているときは、結果もまた、よくないものなのです。

折しも、訳書を送付したヴォルフ先生から、お礼メール。なにもそこまで、と思うほど丁重な感謝がしたためられており、「貴兄のお名前が私の本に結びつけられるのはたいへん光栄です」とまでおっしゃってくださったのには恐縮しました。来年3月に、いずみホールにお迎えします。

1月15日(日)の《ロ短調ミサ曲》本番の、整理券頒布方式が決まりました。音楽研究所のサイトからダウンロードした申込書を大学の演奏課にFAXしていただき、先着順に受け付けるというやり方です。12月1日(木)から受け付け開始になりますが、席数が限られていますから、急いでお申し込み下さい。

コメント

_ 華広 大成 ― 2011年12月11日 01時20分43秒

初めて、投稿?します。クラシックを聴き始めてから30年にもなりますか(主にCDです。一ヶ月に一回くらいコンサートに行く程度の55才の親父です)。このところなぜかロ短調ミサにはまり、各種と言っても数種ですが、聞き比べていました。リヒターの名盤、おなじくリヒターのモスクワライブ盤、最近ではカンブルラン(だったと思う今人に貸して確認できず)の古楽器演奏、小澤・サイトウキネン、変わったところではカラヤン・ベルリンフィル、チェリビダッケ・ミュンヘンフィなど。実演も、大阪フィル(指揮は確かヴィンシャーマンだったような)延原・テレマンと聞いてきましたが、そんな事はどうでも良くて
今日(2011.12.10)西宮芸文ホールでオランダ・バッハ管がロ短調ミサをやりました。コレが素晴らしくて!古楽器によるものですが、一人ひとりの顔が見える演奏というか、「どうぞ、わたし(達)のバッハを聞いていって下さい」と言う感じの大変暖かみのあるバッハで、もう、めちゃくちゃに感動してしまい、終演後に全然見しらぬ全席の楽譜を見ながら聞いておられた若い女性に思わず「良かったですねぇ~」とお声を掛けたらこの方も、即座に「よかったですね~」と反応され、感動を共有出来ました。丁度、このロ短調の演奏会に向けて、勉強してもっと感動し尽くしてやろうと教授の「バッハ ロ短調ミサ曲」を図書館で借りて読んでいたこともあって、教授に是非このことをお伝えしたくメールした次第です。乱文お許し下さい。

_ I教授 ― 2011年12月12日 23時04分08秒

ご報告ありがとうございました。最先端のバッハ・アンサンブルの1つですので、きっとすばらしかったろうと思います。いま、本当に《ロ短調ミサ曲》が旬ですね!

_ taisei ― 2011年12月31日 00時16分55秒

早速のご返事のコメントを頂いて、何とか返事のコメントをと思っている内に14日に急に「回転性めまい」とやらで急に歩く事はもちろん立っている事も出来ず緊急入院になってしまいご返事が送れました。すみません。
(幸い一週間足らずの入院でその後26日には職場に戻れました。初めの2~3日はさすがに本は読めませんでしたが後はとにかく安静第一でしたので教授のロ短調の本ををipodに入れた演奏を聴きながら熟読させて頂きました。内容が深いのと訳が平易で(訳に教授の人柄がにじみ出ている感じがするのは私だけでしょうか?)大変読みやすくめまいの後の頭でも大変おもしろく読みました。2回も繰り返して読んだのは初めてです。) まず、訂正でCDはカンブルランでなく、いまをときめくミンコフスキでした。
で、本題は、教授推薦のDVDを買い求めに大阪梅田のタワーレコードに行って店員さんに聞いたところなんと「廃盤」とのこと!でもせっかく行ったのだからとロ短調のCDの並んだ棚に行って先日のオランダバッハ管のCDは来日記念とかで豪華装幀盤になっており割高でした。へそ曲がりの私は一番安いクレンペラー指揮のニューフィルハーモニア管(\890!)を買って帰りました。
 レンタルビデオ屋さんのTUTAYAのCDコーナーには小澤=サイトウキネンのCDが有りそれも借りて聞いています。それにしても、ロ短調は奥が深いというか、そう、懐が深くどの様な演奏でもそれもありと思えるから不思議です。しかし、無いとなると余計にきいて(見て)見たくなるのが人情。なんとか手に入れてやろうと思っています。
 ところで、思うのですが、このブログの更新だけでも大変だろうに、私のように、いつ書いたかわからん所のコメントにもすぐに返事を書き込むって教授はホントに凄いですね!一体いつ仕事してらっしゃるのか?(失礼!)忙しいだろうにこんなつまらないコメント書いてかえって迷惑なんじゃないかと恐縮してしまいます。でも、このI教授の談話室は抜群におもしろいです。すっかりファンになってしまいました。今後ともよろしくお願いします。

_ I教授 ― 2011年12月31日 11時25分26秒

ご入院ですか、それはたいへんでしたね。でも、必要な休養だったのではないでしょうか。

迷惑どころではありませんよ、ありがたく拝読しています。来年もよろしくお願いします。

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