負けました2012年12月12日 23時59分13秒

「先生、今日は影が薄かったですね」「・・・・」。完敗です(楽しいクラシックの会コンサート2012)。

紹介トークを終え、ステージを降りるとき、下手でスタンバイしておられる出演者、塚越慎子さんと目が合いました。一杯の笑顔なのですが、そこにもりもりとした覇気がみなぎって、食べられてしまいそう。この目、どこかで見たことがあるなあ・・・。あとからわかりました。柔道の松本薫さん!印象は真逆なのですが、燃えるような集中力において、似ているのです。

練習のときから立ち会ってきた、バッハの《シャコンヌ》。マリンバですぐ弾けるわけではないので、苦労を重ねたというところですが、本番では試行錯誤がすべて栄養となって、格段に充実した流れになっている。「本番に強い」といえば、その一語に尽きます。

《シャコンヌ》終了後、インタビュー。質問に、蕩々とみごとな弁舌が返ってきます。平素は天然ボケ(失礼)に見えるお嬢さんが、なんでこうなるの?いるのですね、ステージに立つと断然輝いてしまう人が。

この時点で認識したのは、私のトークなど、天才的な方の前ではまったく無力だ、ということです。そこで自分の務めは最低限で終わらせ、「老兵は死なず、消え去るのみ」などという言葉を想起しつつ、あとはすべて、彼女にまかせることにしました。躍動のマリンバ。すばらしかったです(冒頭に戻る)。