《ロ短調ミサ曲》新企画2012年12月30日 08時48分30秒

1月15日以降も講演や授業の素材として取り上げ、たいへんお世話になった《ロ短調ミサ曲》。この曲がらみで、新しい企画が生まれました。思わぬきっかけでいただいたお仕事です。

私の尊敬する名合唱指揮者、雨森文也さんからお便りをいただきました。開いてみると、CANTUS ANIMAEという合唱団(コンクールで聴いたことがありますが東京を代表する優秀な合唱団です)で《ロ短調ミサ曲》を取り上げるので、ご協力いただけないか、とのご依頼が、熱い文章で綴られています。どうやら、野球でいえばGMのような役割を考えておられるご様子。もちろん、喜んでお引き受けしました。

12月29日、今年の最後の仕事として、最初のレクチャーを行いました。《ロ短調ミサ曲》は成立の経緯がややこしく、そこから入ると遠回りになってしまいますから、今回は、合唱団が〈キリエ〉を練習しておくことを前提に解説を〈キリエ〉に絞り、実践に行き届くよう、具体的かつ詳細に行うという方針を立てました。

全員起立、はちきれんばかりの明るさで迎えていただき、パソコンのトラブルにもめげず始まった講演が、2時間半。自筆譜を投射したり、演奏の聴き比べを行ったりしながら進めましたが、これほどよく笑ってくださる聴き手は初めて。冗談を言わなくても笑ってくださるので、進行が楽です(笑)。その後、実際の演奏が始められ、私の考えを述べたり、議論したりしたのが、1時間強。力が入りすぎて、この時点でノドが枯れてしまいました。

信頼できる方々といっしょに音楽を作りあげてゆくのは、私の最大の喜びです。しかしここまで関与すると、責任重大という感じがひしひし。小舟で大海に乗り出したような不安も感じます(注:小舟というのは私のこと。演奏家ではありませんので)。何とか勉強して、結果を出したいと思います。

小さなお店が貸し切り、すし詰めになった打ち上げで、団員のエネルギーが爆発。大声で話しても会話が成立しにくい、という状況になりました。すでに声が枯れていては対応できず、楽しかったのですが、解散前に帰宅。来年に、大きな課題ができました。