ドイツ旅行記2013(7)--そう、言葉です! ― 2013年06月27日 13時24分04秒
21日、ツァイツから帰って臨んだコンサートは、ヘルマン・マックス指揮のライニッシェ・カントライ、ダス・クライネ・コンツェルトによるもの、曲はバッハのカンタータ第67番《イエスの復活を記憶にとどめよ》と、エマヌエル・バッハのオラトリオ《イエスの復活と昇天》でした。
今回の旅は「朝日サンツアーズ」というグループに属しているのですが、コンサート前にはいつも私が解説をしようということで、事前に曲ごとの情報を用意しました。1曲A41枚、大曲の場合は2枚を基本とし、中の曲は、編成や内容をそれぞれ1行にまとめて、進行を追えるようにしました。1行情報は使いやすかったようなので、今後の方針にしたいと思います(私にもいい予習になります)。
この日のコンサートに興味があったのは、私が放送用のCD収集の段階で彼らの演奏に再三接し、また使ってきたから。とにかく、珍しい曲や発掘された曲をどんどん録音するという、好奇心にあふれたアンサンブルなのです。それへの評価か、マックスはバッハ・メダルを受賞しています(今年はペーター・シュライヤーが受賞しました)。
合唱団は1977年の設立、オーケストラは1981年からだそうなので、キャリアはもう長いのですね。この日の合唱は12人という編成でした。ニコライ教会では祭壇側にしつらえられた演奏者席と向い合って聴くことになりますが、響きが拡散して、やるにも聴くにも、むずかしい会場です。そのためか、バッハのカンタータは、どこか浮ついた感じのまま進行してしまいました。しかし、エマヌエル・バッハは、とても良かった。現代の音楽現象である古楽アンサンブルの、いいレベルを見せてもらった、という感じです。
3つの長所を挙げておきましょう。第一に、言葉がとても大切にされていたこと。ヴェロニカ・ヴィンター(S)、マーゴット・オイツィンガー(A、バッハのみ) ゲオルク・ポプルッツ(T)、マッティアス・フィーヴェク(B)というソリストは、まだ有名ではありません。しかし皆、言葉を意味深く、美しく伝えることに精魂傾けており、それによって、エマヌエル・バッハの音楽をとてもよく引き立てていました。そう、このように言葉が生きていて、音楽を牽引するのがいいのです。「歌詞をつけて歌っている」のでは、こうはなりません。
第二に、合唱もオーケストラも全員が、見るからに楽しそうに演奏していたこと。こちらまで楽しくなりました。第三に、器楽の水準がなかなか高く、トランペットが柔らかく協和するさまはたいしたものだったこと。ちなみに「ダス・クライネ・コンツェルト」(小演奏会)というネーミングは、バッハの晩年に開始されメンデルスゾーンらによって営まれた「大演奏会」(ダス・グローセ・コンツェルト)から取られたそうです。指揮者のマックスからカリスマ性はとくに感じませんでしたが、こうしたもろもろのまとめに手腕があるということでしょう。
実演を楽しみましたので、これからは、愛をもって彼らのCDを流せそうです。
今回の旅は「朝日サンツアーズ」というグループに属しているのですが、コンサート前にはいつも私が解説をしようということで、事前に曲ごとの情報を用意しました。1曲A41枚、大曲の場合は2枚を基本とし、中の曲は、編成や内容をそれぞれ1行にまとめて、進行を追えるようにしました。1行情報は使いやすかったようなので、今後の方針にしたいと思います(私にもいい予習になります)。
この日のコンサートに興味があったのは、私が放送用のCD収集の段階で彼らの演奏に再三接し、また使ってきたから。とにかく、珍しい曲や発掘された曲をどんどん録音するという、好奇心にあふれたアンサンブルなのです。それへの評価か、マックスはバッハ・メダルを受賞しています(今年はペーター・シュライヤーが受賞しました)。
合唱団は1977年の設立、オーケストラは1981年からだそうなので、キャリアはもう長いのですね。この日の合唱は12人という編成でした。ニコライ教会では祭壇側にしつらえられた演奏者席と向い合って聴くことになりますが、響きが拡散して、やるにも聴くにも、むずかしい会場です。そのためか、バッハのカンタータは、どこか浮ついた感じのまま進行してしまいました。しかし、エマヌエル・バッハは、とても良かった。現代の音楽現象である古楽アンサンブルの、いいレベルを見せてもらった、という感じです。
3つの長所を挙げておきましょう。第一に、言葉がとても大切にされていたこと。ヴェロニカ・ヴィンター(S)、マーゴット・オイツィンガー(A、バッハのみ) ゲオルク・ポプルッツ(T)、マッティアス・フィーヴェク(B)というソリストは、まだ有名ではありません。しかし皆、言葉を意味深く、美しく伝えることに精魂傾けており、それによって、エマヌエル・バッハの音楽をとてもよく引き立てていました。そう、このように言葉が生きていて、音楽を牽引するのがいいのです。「歌詞をつけて歌っている」のでは、こうはなりません。
第二に、合唱もオーケストラも全員が、見るからに楽しそうに演奏していたこと。こちらまで楽しくなりました。第三に、器楽の水準がなかなか高く、トランペットが柔らかく協和するさまはたいしたものだったこと。ちなみに「ダス・クライネ・コンツェルト」(小演奏会)というネーミングは、バッハの晩年に開始されメンデルスゾーンらによって営まれた「大演奏会」(ダス・グローセ・コンツェルト)から取られたそうです。指揮者のマックスからカリスマ性はとくに感じませんでしたが、こうしたもろもろのまとめに手腕があるということでしょう。
実演を楽しみましたので、これからは、愛をもって彼らのCDを流せそうです。
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