12月の「古楽の楽しみ」2013年11月26日 08時22分20秒

というわけで、12月はハインリヒ・シュッツの特集です。2日(月)からすぐ始まりますので、ご案内しておきます。

シュッツの作品、少しずつ取り上げてはいたのですが、豊富な作品数、増加する新録音に対応できていませんでした。放送する全34曲のうち既出は3曲のみ、それらも演奏を変えてお届けします。

2日(月)は比較的初期の作品を集めました。《イタリア・マドリガーレ集》 op.1から3曲(ユングヘーネル)、《カンツィオネス・サクレ》 op.4から6曲(ラーデマン)、《シンフォニエ・サクレ》 op.6から4曲(メッソーリ、ウィルソン)です。《シンフォニエ・サクレ》に、器楽が入ります。

3日(火)は、中期の《クライネ・ガイストリッヒェ・コンツェルテ》 op.8から選んだ4曲(レミー)に、ポピュラリティのある後期の《クリスマス・オラトリオ》(クイケン)を組み合わせました。

4日(水)は盛りだくさんです。まず《シンフォニエ・サクレ第2集》 op.10、同じく《第3集》 op.12から1曲ずつ(ヤーコプス、ベルニウス)。次に昨年初録音された受難モテット《私を憐れんでください、神なる主よ》(ラーデマン)。さらに晩年の《ヨハネ》《マタイ》《ルカ》3受難曲から、導入曲と終曲(フレーミヒ、ヒリアー、ラーデマン)。締めが《十字架上の七つの言葉》(ラーデマン)です。

5日(木)は、《ガイストリッヒェ・コーアムジーク》 op.11から7曲(ラーデマン)、および《白鳥の歌》からの〈メムとヌン〉、〈ドイツ語マニフィカト〉(ヒリアー)で構成しました。

準備し、録音する間中、シュッツの音楽はなんとすばらしいのだろう、と思っていました。放送でも述べたことですが、三十年戦争の苦難の時代にこうしたシンプルかつ高貴な音楽が生まれ、衣食足りよろず民主的になった現代の音楽がしばしばとげとげしいのはなぜだろう、と思ってしまいます。