祝!サントリー音楽賞2009年03月22日 22時34分12秒

今年度のサントリー音楽賞が発表されました。本賞がメゾソプラノの小山由美さん。知性、風格、ディクションなどさまざまの点で第一級の力量を示してこられた方ですが、秋のヤナーチェク《マクロプロス家の事》の圧巻の主演(および春の新国での、みごとなフリッカ)で、文句なしの受賞となりました。おめでとうございます。周囲を見るとソプラノが超激戦のわりにメゾ、アルトは数が少ない感じなのですが、最高ランクの歌い手は、何人か集中していますよね。ちょっと不思議な現象です。

もうひとつ、佐治敬三賞というのを選んでいます。これは企画の斬新さ、質の良さを重視して、応募公演のうちから選ぶものです。今年は絨毯座の実験室vol.2「偽のアルレッキーノ(マリピエロ)/カンパネッロ(ドニゼッティ)」が、やはり文句なしの受賞。これはコメディア・デラルテの様式を徹底追究し、スピード感のある楽しい舞台に仕上げたもので、手抜きなしの訓練が、きわめて印象的でした。恵川智美さんの演出の下、今尾滋さんら出演者が、献身的ながんばりぶりでした。あ、私、選考委員を務めています。