感動的な《メサイア》 ― 2009年12月26日 23時23分37秒
今日は、朝日カルチャー横浜校の講座。対外的には今年の仕事納めでした。年末にヘンデルを聴こうということで、ヴァイオリン・ソナタイ長調、コンチェルト・グロッソ op.6-6、そして《メサイア》の抜粋でプログラムを構成しました。ヴァイオリン・ソナタには桐山建志さんと大塚直哉さんの新録音を使いましたが、すばらしいですね。ガット弦の音の美しさ、純粋さに、心を洗われます。
《メサイア》には、購入したばかりのEMIのDVDを使いました。スティーヴン・クレオベリー指揮のケンブリッジ・キングズカレッジ合唱団、エンシェント室内管弦楽団、エイリッシュ・タイナン(S)、アリス・クート(A)、アラン・クレイトン(T)、マシュー・ローズ(B)という顔ぶれによる、2009年4月のライヴ録音。これが、じついいいのです。
最近、《メサイア》という作品にやや批判的な気持ちが芽生えていて、冒頭のコメントにそれをまぜてから鑑賞を始めたのですが、低いテンションで始まった演奏が熱を帯びるにつれて引き込まれ、ついには「なんていい曲なんだろう!」という熱い感動に包まれてしまいました。もちろん、懺悔して前言撤回です。
どこがいいか。夢があるのです。音楽が音符に固まらず、希望を乗せ愛を乗せて、ふくらみをもって響いてきます。言い換えれば、救い主への思いが翼を得て飛び立つような感じ。こうなると、《メサイア》の音楽は、断然引き立ちます。少年合唱も歌い込まれていて立派でしたが、知らない人ばかりのソリストが意欲にあふれていて、じつに見事。こうした《メサイア》を年内に聴けて幸せになりました。皆様にもお勧めします。
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