達人の根拠とは2010年08月11日 11時51分11秒

年齢の話が出ましたので、エピソードをひとつ。

大勢の人を観察し、目の肥えている商売というのがありますね。高級レストランのウェイターは、その代表でしょう。連日、多くの人を観察している。そしてそこから、高級店ならではのサービスが生まれてきます。

その日(←つい最近)、私は、ある地方都市の高級レストランで夕食を摂っていました。はっきり言えば、松本の「鯛萬」です。ワイン・リストを見ると、値段がほとんど5桁!それだけあって、練達のウェイターさんが、行き届いたサービスをしてくれます。きっと、いろいろなお客様を見てきているいちがいありません。

一行は、4名。私の右に、Claraさんよりさらに年上、喜寿相当のご婦人。私より、少なくとも一回りは年長でしょうか。向かいに、ひげを生やした30代の男性。その右に、40代の女性。女性2人が親子で、あとは他人という関係です。こういう組み合わせをウェイターさんはどう見ているのだろうな、とかすかに思いながら、談笑を交わしつつ、食事を進めていました。

するとウェイターさんが、「ご家族で写真をお撮りしましょうか」とおっしゃるではないですか。これには、のけぞってしまいました。右におられるのは尊敬する愛すべきご婦人でしたのでいやな感じはまったくしませんでしたが、私が心から疑問に思ったのは、こういう接客の達人は、どういう根拠で、お客様が家族か否かを判定するのだろう、ということです。その理由を、心から知りたいと思います。

ウェイターさんが深読みし、親子二代で姉さん女房、と判定したのかもしれません。でもそれでは、向かいにいる男性が、私の息子ということになってしまう。その男性がまさお君だっただけに、割り切れない気持ちでいっぱいです。