若い友人を惜しむ2010年08月13日 22時07分35秒

今週初めて家を出て、年下の友人、佐藤秀樹君の葬儀に行ってきました。腎臓ガンの発見が遅れ、闘病生活のいとまもなく、亡くなってしまったのです。気の毒といえばその一語に尽きますが、私はむしろ、ダメじゃないか、奥さん、お嬢さんはどうするんだ、と叱りたい気持ちです。健康に気を配っていれば、この事態は避けられたように思うからです。

まだ講師の私が早稲田大学の理工学部出講し、そこで出会ったのが佐藤君です。都立西高から早稲田の理工に進んだのですから、相当な秀才ですよね。私を慕ってくれましたので仲良くなり、よく、一緒に飲みに行ったものです。

さっぱりした、男性的な気性の持ち主でした。口が悪く、私のことをたえず「いい性格してる」と言っていた。再度注釈しますと、この「いい」は、悪いという意味です。サッカーを愛するスポーツマンで、音楽大学の環境には、あまりいないタイプの人。ピアニストのブレンデルが大好きで、追っかけもしていたようです。最近は、飲み会に呼ぼうかと思いながら実現しないまま、会わない年が続いていました。

奥さんから連絡といただいて、つい先日、見舞いにいきました。かつての面影は失われていましたが、奥さんのお話では、私が来たことで、目に見えてシャンとしたそうです。少し昔話をしましたが、「いい性格してるといつも言われていたよねえ」と言ったところ、ごく小さな声で、しかしはっきりと「人だけじゃない」と言いました。自分も同じだ、と言いたかったようです。弱々しい中に、豪快な気性の片鱗が見えました。

でも、こんなに早く死んじゃいけません。健康そのもののスポーツマンが病院に一度も足を踏み入れないまま過ごし、気がつくと手遅れ、という典型的なケースにはまったと、奥さんもおっしゃっていました。皆さん、検診受けましょうね。手術を何度も受けている私が元気に生きているのは、現代医学のおかげなのですから。