謝罪率2011年10月13日 14時42分11秒

自分のやさしさに、ふと気がつくときがあります。こんな私でも、慈父のようなやさしさが、心に湧き上がるときがある。今朝もそうでした。

周知の方から、「緊急のご連絡です」とのメール。驚いて開いてみると、私に依頼する仕事を忘れていた、今日なのだがなんとかならないか、という内容なのです。この瞬間に私の口元に浮かんだやさしい微笑みを、皆様ご想像ください。じつに今日は、スケジュール調整の可能な日でありました。

私は、自分以外の方がこの種のミステイクをなさることが、心地よくてなりません。なぜなら、私に仮に275あるダブルブッキング等々のミステイクが、この1件で274になったように感じるからです。人間誰しも間違いを犯す、という真理を体感して心が軽くなるのは、まことに得難い瞬間です。

先方はもちろん謝罪しておられましたが、私は最近、謝罪率という定理を考えるようになりました。すなわち、謝る数と謝られる数の比率です。企業のお客様係でもされていれば別ですが、普通の方は、まあまあ1に近いのではないでしょうか。しかるに私は謝罪されるより謝罪する方が圧倒的に多く、その少なからぬ部分が平謝り、という状況なのです。

昨日今日も、聖路加病院の検査を忘れてすっぽかしてしまう、翻訳を全力でサポートをしてくれた春秋社スタッフへのお礼を「あとがき」に書き忘れるという、2つの平謝り案件がありました。長い生涯ですから、相当積み重なっていると思います。

今朝は、新橋のマッサージへ。行き届いた治療を終えた河本先生が私の身体の固さを最大級と評価されておっしゃるには、「こういう方が仕事をされているのでは、自分など、疲れたという言葉は言えない」と。勇気をいただきました。(三越前のカフェにて記)