iBACHで講演2011年10月25日 23時23分36秒

今日のiBACHは、《ロ短調ミサ曲》に関する私の講演会でした。聞きにいらしてくださった皆様、ありがとうございました。

今まではもう少し早い段階で、私が作品についてお話する回をもちました。今回ずっと遅れたのは、翻訳を手にとってもらってやると能率的、という思い(下心?)が働いたからです。しかしうまくいかないもので、発売の前日に、本のないまま、やる羽目になりました。

入念に準備し、相当緊張して臨んだのは、この1回のメッセージが届くか届かないかが、来年1月の演奏を、かなり左右するように思えたからです。自分ながら滑稽に思えるほどのハイテンション。マイクなしでやりましたが、新築のスタジオの音響効果がよく、なめらかに声が響きました(と思う)。じつは、NHKの最近数回が、いやになってしまうほどのしゃがれ声。もうこんな声になってしまって治らないのかな、と思っていたのです。

しかし、27曲もある長大な作品に詳細なレジュメを作成したのでは、どんなに飛ばしても、最後までいきません。休憩中に指揮者の大塚直哉さんがいらしておっしゃるには、勉強になるので来週も続けましょう、と。練習を中断して講演を続けるのは気が引けますが、作品を理解する重要性をみんなが感じてくれたのであれば、やはり必要なことだと思い、もし終えられなかったら、やらせていただくことにしました。

結局は、〈グローリア〉で討ち死に(笑)。締めに用意していたDVDの音が出ず、最後を飾れませんでしたが、こんなときに必要なのは、発想の転換です。代わりに、次回に送ろうと思っていた後半部の成立事情をお話ししました。来週は来られない方もいらっしゃるでしょうから、かえってその方が良かった面もあると思います。

ヴォルフ先生の作品観はすっかり頭に入り、自分なりの整理の仕方も、頭をもたげてきました。本は、いよいよ明日発売です。私の明日は、胃カメラの日。最近日本学術会議の連携会員というものにしていただいたので、午後はその説明会に回ります。