免れた立ち往生2011年10月06日 22時28分26秒

今日は、「バッハとその時代」の持ち回り授業に3度目の登板。選帝侯妃追悼カンタータのCDと《ロ短調ミサ曲》のDVDを持参する予定を立てました。演奏は決まっています。追悼カンタータ(第198番)は、レオンハルト。これが最高の演奏です。《ロ短調ミサ曲》は、ネルソン指揮のノートルダム聖歌隊のもの。ラテン語テキストのスピリットが抜群で、グレゴリオ聖歌が堂に入っており、〈クレード〉に入ると、別世界が開ける感じになります。ミサ曲テキストへの習熟がいかに演奏に生きるか、痛感させられる演奏なのです。

バッハのCDの棚に行き、まず198番のケースをゲット。皆さんなら、すぐカバンに入れますよね。私は違います。慎重な性格なので、中身を確かめるのです。(黙りなさい、講演中に開いたら中身がなくて立ち往生、という光景を数回見ましたよ、と言っている人。)

開くと、中身は空。どこかで使って、戻しておかなかったようです。力が抜けました。次にDVDの棚に移動し、《ロ短調ミサ曲》をゲット。慎重な性格なので一応中身を確かめると、これも空でした。この演奏でやりたいのに!と、落胆。でも考えてみると、NHKの仕事の後、渋谷のタワーレコードで買う手があります。そこでブロムシュテットの映像を用意し、家を出ました。

結局タワーレコードでは入手できず、ツキをためる結果になりました。よく使うものほど、こうしたことが起こります。まあ、その場で立ち往生するよりはよかったですけど。

翻訳の方は、校了になりました。しかし念のため校正を1行程増やしましたので、出版は、1週間ほど遅れそうです。10月下旬に立てていた使う予定が、どうなりますやら。完成が楽しみというより、あそこはこれでよかったか、この表記はどうだったか、と心配している段階です。とくに、テキストをドイツ語読みで表記したことが気になっています。「ザンクトゥス」をお許しください。