飛びゆく時間の中で2011年10月20日 11時44分41秒

月日が、速く過ぎます。わが家の規準は、愛犬のトリミング。1ヶ月に1回規則的に行っていますので、「行ったばかりなのにまた行ったのか」という実感になる。メス犬ならともかく、オス犬が毎月行って、どうするんでしょう。

経過の速い理由は、記憶力の衰えと考えて、間違いないと思います。忘れてしまった時間は、ないのと同じですから。残り少ない大事な時間がどんどん過ぎ去るのは不合理にも思いますが、それは、「若い時間が長い」という摂理によるのだと理解しています。

でも自分、進歩しているようにも思うのです。土曜日に《マタイ受難曲》の講演会があり、今日準備したのですが、最近やっていたわけではないのに、曲に対する見方が変わっている。《ロ短調ミサ曲》効果で、《マタイ》に対して、新しい判断や意味づけが発生しているのです。ですので、著作執筆当時と同じ話は、しなくて済みそうです。

最近、当時の受難曲の録音が増えました。それを通じてわかることは、バッハだけがやっていたわけではない、しかし、バッハのやっていたことは、やはり桁違いだ、ということです。それは、真の傑作を時代や社会からのみ説明してはいけない、ということを物語っていると思います。