日生劇場の《メデア》2012年11月10日 15時11分59秒

いま大阪に向かう車中です。昨夜は日生劇場に、アリベルト・ライマンのオペラ《メデア》を見に行きました。阿鼻叫喚のシーンも頻出する前衛オペラですが、書法の密度は高く、演奏・演出((飯塚励生)のすばらしさもあり、類いまれな迫力に、手に汗を握りました。

下野竜也指揮、読響は演奏に勢いがあり、進むにつれ、艶やかな凄味を表出。コロスに相当するモダン・ダンスも良かったです。

長木誠司さんの書かれた名解説に、古典的な教育しか受けていない歌い手ではおそらく2小節も歌えないだろう、というくだりがありました。それだけに飯田みち代さんを始めとするキャストの頑張りが称えられるわけですが、人声に無理をさせることを競うような現代オペラのあり方もどうなんだろう、という思いも頭をよぎりました。