「古楽の楽しみ」12月2012年11月29日 12時52分21秒

来週の月曜日からですので、ご案内します。

今年の企画の中でもっとも大きな反響をいただいたのは、チェンバロ協奏曲のシリーズです。NHKにメールをくださった方から、同じリレー演奏の企画で《平均律》を聴きたい、というご提案がありました。考えてみると、《平均律》は第2巻の抜粋を《クラヴィーア練習曲集》のシリーズの中に取り入れただけだったので、企画をいただき、第1巻を中心に、《平均律》を特集することに決めました。CDを集め、演奏時間をエクセルの一覧表にして計算するなどして4回分を構成し、すでに録音しました。面白かったです。

12月3日(月)は、第1巻の第1番ハ長調から第8番変ホ短調まで。ヴァルヒャの安定感のあるチェンバロで開始し、エトヴィン・フィッシャー、リヒテル、バレンボイムと、ロマンティックな傾向の大ピアニストを、2曲ずつ継投させました。

4日(火)は、第9番ホ長調から第16番ト短調まで。レオンハルトのチェンバロで開始し、グールド→グルダ→シフの現代路線を敷きました。シフの2011年新録音はすばらしいので、余った時間に、ハ長調と変ホ短調を追加しました。

5日(水)は個性派路線により、第17番変イ長調から第24番ロ短調まで。カークパトリックのクラヴィコードを冒頭に、シュタットフェルト→アファナシエフ→ポリーニと継投しました。締めくくりは、ポリーニのハ長調プレリュード。

6日(木)は、第2巻から、未放送の曲を選びました。第1番ハ長調と第4番嬰ハ短調を、セバスティアン・ギヨーのチェンバロで。次はロバート・レヴィンがさまざまな楽器を弾き分けた録音から、第9番ホ長調(オルガン)、第10番ホ短調(フォルテピアノ)、第11番ヘ長調(クラヴィコード)。次にピアノによる個別曲の録音から、第15番ト長調をバックハウス、第20番イ短調をエレーヌ・グリモーで。最後にシフの新録音に戻り、第19番イ長調のプレリュードと第23番ロ長調でまとめました。

アシスタントと技術さんも、聴き比べを楽しんでくれました。皆様も、お好みの演奏をお探しください。