加美町バッハホール、貴重資料を入手!2013年03月13日 23時23分49秒

宮城県加美町のバッハホール(旧・中新田町)がバッハ関連の貴重な資料を入手したというお知らせをいただき、取るものも取りあえず、見に行ってきました。これは、お宝です!

加美町は、東北新幹線の古川から西に位置し、清流で育てられるわさび(←大好き)が名産です。バッハホールは、立派なオルガンをもつ、行き届いた建物。猪俣洋文町長がこのホールを生かした文化創りを志され、昨年アイゼナハを訪れて、現地のバッハハウスと友好協定を調印しました。その記念にバッハハウスから、貴重な資料の貸与を受けたのだそうです。


その資料というのが、詩人ピカンダーが1729年に出版した詩集『まじめな詩・諧謔的な詩・風刺的な詩』第2巻の、初版(!)なのです。世界に2冊しかないオリジナルの1冊とか。この詩集は《マタイ受難曲》の台本が収められていることで有名なのですが、私にとって同じぐらい関心を掻き立てられるのは、日本で再発見されその情報が世界を駆け巡った結婚カンタータ《満たされたプライセの町よ》BWV216の台本が収められていることでした(写真がその本で、右が猪俣町長さんです)。


流行作家ピカンダーが依頼に任せて書き綴ったたくさんの結婚祝賀詩の中に、それはしっかりと収められていました。《満たされたプライセの町よ》は、オリジナル・パート譜が国立音大の図書館、初版台本が加美町のバッハホールに所蔵されていることになったわけで、日本の曲と言ってもいいですね。いつか、ホールで響かせてみたいものです。

500ページになんなんとする詩集は、膨大な情報源。ぜひ研究してみたいと思います。

〔付記〕遠からずお披露目されるということで、準備が進められています。詳細は町とホールのホームページでご確認ください。