エッセイスト新発見2014年03月17日 09時55分16秒

週刊誌の連載は、さぞ大変でしょう。毎回感心して読むものもあれば、だんだん読まなくなってしまうものもある。逆に、少しずつ引き込まれて、いつしか愛読、というエッセイも存在します。そのようにして発見した書き手が、酒井順子さんでした。

周囲への鋭利な観察が、ですます調のやわらかい文体に乗って、リズムよく流れていく。読むうちに、直感あり。この方の文章は、三島由紀夫の影響を受けているのではないか、と。私もずっと昔熱中していましたから、ピンと来るものがありました。

そうしたら、手に取った文庫本に、三島がたくさん登場するのですね。『制服概論』、『着ればわかる!』と読みましたが、じつに面白い。着るものを素材に、あるいは着るという体験を素材に、よくこれだけのことが書けるものだと、驚いてしまいます。三島の『不道徳教育講座』を連想するところもありますが、もちろん武張ったところのない、女性の文章。いま『金閣寺の燃やし方』というのを読んでおります(笑)。