希有の体験 ― 2014年04月01日 23時27分23秒
被災地訪問 ― 2014年04月05日 18時54分53秒
成田からご挨拶 ― 2014年04月07日 22時25分49秒
今回はなぜか、劇的な出来事が起こるような気がしません。順調に、オランダ、ベルギー、ドイツあたりを旅行して参ります。国際用のルーターを借りましたので、順調ぶりをご報告できると思います。
日本でも、ここしばらく、いろいろな出来事がありました。目立つなあと思うのは、「逆ギレ」という現象です。3人ぐらいすぐ思い浮かびますが、共通点は、自分に甘く他人に厳しいという、精神構造。良くないですね。こういう世の中になると、バッハのカンタータのメッセージが光ってきます。そこでは繰り返し、まず自分自身を振り返れ、と教えているからです。
旅行前に仕事を済ませるため、緊張した数日間でした。このパターンだけは、変わりません。では、次はオランダから!
ヨーロッパ通信2014(1)/着きました、アムステルダム ― 2014年04月09日 23時59分00秒
ヨーロッパ通信2014(2)/リチャード・エガー、息を呑む《マタイ》初稿 ― 2014年04月11日 13時54分30秒
ヨーロッパ通信2014(3)/アルクマールの幸せ ― 2014年04月12日 14時39分29秒
11日(金)は、アムステルダムからバスで北に小一時間走り、チーズの本場として知られるアルクマールを訪れました。金曜日でチーズ市が開かれていますが、私は乳製品アウトなので、それには興味がありません。写真は立派なチーズ計量館。
アルクマールで楽しみだったのは、聖ローレンス教会のオルガン・コンサートを聴けることでした。ただし大小どちらのオルガンを使うかはわからない、とアナウンスされていました。できれば、大オルガンを聴きたい。なぜならこの楽器はフランツ・カスパル・シュニットガーの名器で、ヘルムート・ヴァルヒャを始めとする代々の名オルガニストが、コンサートに、録音に使ってきたものだからです。
じつに堂々たる構えの大教会でした。中は意外にガランとしているのは、アムステルダムの旧教会と似ています。しかし折悪しく、改装工事が進行中。コンサートが行われる様子はなく、大小どちらがいいどころの話ではありません。私のツキもここまでか、と萎れた心境になりました。
ところが、捨てる神あれば拾う神あり。専属オルガニストであるフランク・ファン・ヴァイクさんが、小・大2つのオルガンについて自ら説明し、演奏もしてくださるというのですね。長身のとても友好的なファン・ヴァイクさん、サイドにある小さい方のオルガンから、熱を込めて説明を始められました。1511年に設置されたこの楽器はミーントーン調律だというので、まず、音階上の和音の不揃いを実験。次にスウェーリンクの作品を3曲。ペダル付きのプレリュードと、エコー・ファンタジー、そして《いと高き神にのみ栄光あれ》による変奏曲。小さなグループなのに全力投球で演奏してくださるお人柄に、まず感銘。
次に大オルガンです。外見の美しさといい、たたずまいの壮麗さといい、堂々たるオルガン。ファン・ヴァイクさんは、この楽器との出会いがオルガニストになったきっかけであり、世界のシュニットガー・オルガンの中でも最高のもののひとつだと誇り高くおっしゃり、バッハの作品を演奏してくれることになりました。パルティータ《ようこそ、慈悲深きイエスよ》とヘ長調のプレリュードBWV540という、すごい選曲。父アルプのオルガンほどの冴えは感じませんが、ゴシック建築の空間に反響するパイプの音が地上にやわらかく降り注ぐ雰囲気は、コンサートホールでは味わえないもの。そのパワーを総動員して演奏されたヘ長調プレリュードでは、バッハのオルガン音楽の巨人的なスケールを、あらためて実感しました。
本当に嬉しい体験でした。不肖私の運気はますます上昇しているように思えてならないのですが、いかがでしょう(汗)。
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