エッセイスト新発見2014年03月17日 09時55分16秒

週刊誌の連載は、さぞ大変でしょう。毎回感心して読むものもあれば、だんだん読まなくなってしまうものもある。逆に、少しずつ引き込まれて、いつしか愛読、というエッセイも存在します。そのようにして発見した書き手が、酒井順子さんでした。

周囲への鋭利な観察が、ですます調のやわらかい文体に乗って、リズムよく流れていく。読むうちに、直感あり。この方の文章は、三島由紀夫の影響を受けているのではないか、と。私もずっと昔熱中していましたから、ピンと来るものがありました。

そうしたら、手に取った文庫本に、三島がたくさん登場するのですね。『制服概論』、『着ればわかる!』と読みましたが、じつに面白い。着るものを素材に、あるいは着るという体験を素材に、よくこれだけのことが書けるものだと、驚いてしまいます。三島の『不道徳教育講座』を連想するところもありますが、もちろん武張ったところのない、女性の文章。いま『金閣寺の燃やし方』というのを読んでおります(笑)。

コメント

_ 波女 ― 2014年03月18日 15時40分03秒

本屋さんでこの著者の「地震と独身」という本を最近見かけましたが、それも含め、ご紹介あった本、図書館に予約しました。
幸い余り待たずに済みそうです。
タイトルだけでも、面白そうですね。有り難うございます。

_ I招聘教授 ― 2014年03月19日 00時31分28秒

波女さん、ぜひご感想をお願いします。同性の方がどう思われるか、興味があります。

_ 波女 ― 2014年04月04日 23時25分49秒

図書館から5冊ばかり借り出しまして、まず「着ればわかる!」を読みました。病院の待合室でしたが、2時間が短く感じられたくらいでした。特に制服についての項は、自分が中学生、高校生だった、セーラー服時代を思い出し、「そうそう、わかるわかる」といった思いで、楽しく読みました。やはり女性が書いたからでしょうか、実によく女性の心理と習慣性をとらえて、全部実験しながら書いたと知り、読ませる魅力の鍵はこれだったのだとわかり興味深いことでした。

_ I招聘教授 ― 2014年04月05日 18時54分39秒

波女さん、ありがとうございました。私としては、セーラー服に関するコメントは封印いたします。

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