ヨーロッパ通信2014(10)/ワロン地方を満喫2014年04月21日 23時52分24秒

4月16日(水)。ナミュールの朝は、快晴で明けました。ワロン地方を横断してドイツに入るのが、今日の予定。まず、ナミュール市街の南に聳える城塞に登ります。山登りの好きな私には、ぜひ訪れてみたいコースでした。

運動神経がまるでなく、身体を動かすことも怠りがちな私にとって、山登りをやっていたのは、とても大きなことでした。なにしろ今でも、上り下りがまったく苦にならないのです。高いところがあると上がってみたいメンタリティも、相変わらずです。

朝、人訪れもまれな自然公園を登ってゆきます。小鳥の声がたくさん聞こえますが、旋律性が豊かでびっくり。メシアンは、こういう鳥の声を聴いていたのですね。


「地球の歩き方」には、城塞には乗り物に乗らず、徒歩で登って欲しい、ナミュールの市街の展望は感動的だから、という投稿が載っていました。登ってゆく背中に、ナミュールの街があります。だから、登るごとに、後ろを振り返っていました。ところが、一番高い展望台に着くと、そこには砦の反対側の光景が広がっていたのです。ここもナミュールではあるのでしょうが、ムーズ河の本流に沿った地域。その向こうに、ワロン地方の豊かな自然がえんえんと。




今回の旅行で一番幸福を感じたのが、ここからの展望でした。しばらく尾根を歩き、疲れた頃小さな遊園地があったので入場料を払って入り、ハイネッケンのビールを一杯。再度強調しますが、ハイネッケンは日本で飲むより数段おいしく、すばらしいです。駅に戻り、ワロン地方の中心都市、リエージュへと向かいました。

ガイドブックでリエージュについて読み、どことなく惹かれたのが、訪問の理由。《展覧会の絵》のところじゃん、と思いましたが、気がつくと、あれはリモージュ(笑)。日本の観光客の、とても少ないところなのではないでしょうか。

でも、ここがすばらしかった。到着した駅の、とんでもなく現代的なホームには面食らいましたが(笑)。


旧市街の王宮周辺は、伝統と現代の混在する、活気にあふれたところです。女性も洗練されています。オペラ・ハウスの近くでカフェに入って昼食をしましたが、スカンピのオイル焼きのおいしさは抜群で、よく言われるベルギー料理の優秀さを実感しました。皆さん、ぜひリエージュをプランにお加えください。お薦めします。


リエージュから東へ国境を越えて、アーヘン(ドイツ)に入りました。列車待ちの時間に駅前でビールを飲んだら、女主人の怖い顔に仰天。私をにらみつけて、にこりともしません。「ダンケ」というと、噛みつくように「ビッテ」という。このあたりから、旅行が下降線に入ったようです。すぐ飛び出し、大急ぎで大聖堂を往復して、ケルン経由、フランクフルトに入りました。かつてコインロッカー事件の起こった、因縁の都会です(汗)。