ヨーロッパ通信2014(13)/「ツキの理論」が立証されました2014年04月24日 23時20分53秒

5泊の個人旅行に、私は機内持ち込み用のバッグをもって出発しました。必要なものをこれに詰め込み、その他の荷物はトランクに入れて、空港の大きなコインロッカーに預けたのです。観光のさいには、バッグを駅のコインロッカーへ。預かり証をなくさないよう、大いに神経を使いました。

18日(金)。早く準備が整ったので、チェックアウト。もちろんカードで支払うのですが、オランダやベルギーのホテルでは必要だったピンコードの操作が、ドイツでは必要ないのでびっくり(自動販売機で鉄道の切符を購入するさいも同様でした)。そのことでちょっとホテルマンとやりとりし、「さよなら」と言ってバッグを取ろうとしたら、バッグがないではありませんか。足の前、足とデスクの間に置いていたはずなのです。

そういえば素速い影が通り過ぎたように思い、庭に出てみましたが、誰もいません。これは盗難だ!ということになり、調べてもらうと、ホテルの監視カメラに、お客を装った男が近寄り、バッグを取って逃走する様子が、動画並みの解像度で写っているのです。まもなく、男女2人の警官がやってきました。

19歳の時に初めて渡欧してから半世紀近く経ちますが、盗難にあったのは初めて。油断がありました。手口があまりにも鮮やかだったためか、意外に腹は立ちません。すぐ感じたことは2つです。1つは、これでブログの読者にいいオチを提供できるな、という、奇妙な安堵感。もうひとつは、無事に帰れるだろうかという不安感でした。

警察の検証を待っている間、手荷物なしでどう行動できるか、考えました。不幸中の幸いは、3点あります。第1に、事件が旅行の終わり近くで起こったこと。第2に、言葉に不自由しないドイツで起こったこと。第3に、パスポートと、ユーロおよびカード類の入った財布が手元に残されたことです。スマホも残りましたが、ルーターと充電器がバッグの中なので、たいして役に立ちません。

こうして私の「ツキの理論」は立証されたわけですが、肝要なのは、ツカない時にどう切り抜けるかということです。手ぶらの私がその後どうしたかも、読んでくださいね。