4月のイベント(3)2010年03月13日 11時19分55秒

フーッ、ダブルブッキングが解決し、ご案内です。

27日(土)は、10:00からが「たのくら」の例会。年度最後で、《ロ短調ミサ曲》で締めます。談話室でもご紹介している、ネルソン指揮、ノートルダム聖歌隊の演奏でいきたいと思います。

同日午後14:00から、毎年3月に開催している「錦まつり」。会場を借りている立川市錦町の学習館が主催者となって、コンサート・シリーズを継続しているのです。今年は、「サクソフォーンって、面白い!」。国音の下地啓二先生以下、教室の学生さんが大挙して出演されます。にぎやかで楽しいコンサートになりそう。入場無料ですから、皆さん、ぜひお出かけください。

え、ダブルブッキングの犠牲者は、ですって?それは朝日カルチャー横浜校です。いつもよくしていただいているだけにたいへん申し訳ないのですが、関根敏子さんに代講をお願いしました。しかしラモーのオペラ《ボレアード》を取り上げるので、私より適任ではないかと思います。こちらもよろしくお願いします。13:00からです。

今月のイベント(2)2010年03月12日 23時07分25秒

「博士研究コンサート」の1日目はご紹介しましたね。翌日、すなわち15日(月)の18:00から、2年・3年次のための2日目があります。私の弟子で出演するのは山崎法子さん(ソプラノ)で、ヴォルフの《スペイン歌曲集》から。もうひとり、ウィーン帰りの葛西健治君(テノール)は、ベートーヴェンの愛の歌曲ばかりという、「濃い」プログラムです(彼らしい?)。他に、日本音楽コンクール優勝の中辻小百合さん(作曲)の新作発表と、やはりウィーン帰りの期待のピアニスト、和田紘平君のバッハ《パルティータ第6番》とベートーヴェンの第30番のソナタその他があります。よろしく。

16日(水)は18:30から、修了生から選抜された「新人コンサート」です。iBACHのコア・メンバーでリフキンの《マタイ》にも出演してくれた狩野賢一君が出演します。研究報告を指導していたオペラの部門からも、3人が出演。どちらも入場無料、国立音大の小ホールです。

29日(月)には19:00から立川アミューで、立川市と大学の提携による「モーツァルトの美意識を探る」のシリーズがあります。今回は「響き合う友情と愛」というテーマで、二重奏、二重唱の世界を探究します。ヴァイオリン・ソナタト長調K.379、2本のホルンのためのデュエット、あとはオペラからで、《コシ・ファン・トゥッテ》と《魔笛》から二重唱を集め、そこに、メゾとクラリネットの二重唱というべき《ティート》のアリアを加えたプログラムです。

このコンサートの自慢は顔ぶれです。声楽は、高橋薫子(S)、加納悦子(Ms)、大間知覚(T)、黒田博(B)という豪華版で、ピアノの久元祐子さん、ヴァイオリンの大関博明さんなど、国立音大の誇る音楽家が出演します。これで1000円とは、安い!

じつはもうひとつあるのですが、深刻なダブルブッキングが発覚しました。解決してからご案内します(泣)。

博士研究コンサートのご案内など2010年03月04日 23時13分00秒

今日は久しぶりに在宅。まず小山由美論を仕上げ、それから音楽研究所の論文集に掲載すべく書いているモテット《イエスよ、私の喜び》論に集中しました。ほとんど完了。もう演奏が終わっていて後の祭りなのですが、いろいろなことに気づきました。やはり論文を書くことで研究者は勉強するのだと、つくづく思います。

私の一番嫌いなニュース、子供の虐待が、続けて報道されていますね。母親が何とか止められなかったのか、と思っていたら、いま見たニュースでは、虐待の6割が実母なのだそうです。お腹を空かせている子供に食事を与えないという一点が、すでにして、とうてい信じられません。世の中には、本当にいろいろなことがあるものですね。かわいがれば、犬だってかわいくなるのに・・・。

金曜日のオペラのチケットがもうないそうで、案内が遅すぎる!とお叱りをいただきました。ごめんなさい。そこで、「大学院博士後期課程研究コンサート」の、ご案内第一弾です。14日(日)、16:00から国立音大講堂小ホールで、1年次5人のコンサートがあります。紙面の都合上、私の弟子のみのご案内で申し訳ありません。ソプラノが3人です。

トップバッターは阿部雅子さんで、『雅歌』にこだわるバロック音楽のプログラム。グレゴリオ聖歌に始まり、グランディ、モンテヴェルディ、メールラ、そしてバッハのカンタータBWV49と140からです。

次は高橋織子さん。専門とするシュトラウスの歌曲で、 op.10とop.27から。 op.10には、有名な《献呈》や《万霊節》が含まれています。須坂の方、お出でになれませんか?

最後が川辺茜さんで、シェーンベルクとベルクの歌曲です。3人とも実力がありますから、ぜひいらしてください。直弟子ではないですが昵懇の今野哲也君の作品発表もありますよ。

【付記】今日のオペラ、当日券が若干出るようです。16:45から発売とのことでした。よろしく。

3月/ひなまつり2010年03月03日 22時36分01秒

3月のイベントのご案内をしなくてはなりませんが、とりあえず、至近のものを。5日(金)18:00から、国立音楽大学の大ホールで、モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》の公演があります。これがいわくつき。サントリーのホール・オペラを先取りし、カバーの歌い手さん(オール日本人)たちによって上演しよう、というものなのです。まったく同じ舞台ではなく、オケも学生ですが、ラヴィーア演出のコンセプトは共通ですし、ルイゾッティもフォルテピアノで出演します(指揮はフィンチ)。1500円なら、一見の価値ありではないでしょうか。

今日ゲネプロを見ましたが、みんなすごいテンションで圧倒されました。オペラって、こうやって作っていくんですね。一応私が、導入のトークをします。

今日はひなまつり。当家発信の画像をお楽しみください。オスですけど。


2月のイベント、とくに「すざかバッハの会」新シリーズ2010年02月08日 23時03分00秒

「痛切な出来事」の件、温かなコメントをいただき、ほっとしました。松本でも話が回り、お母様がブログを読まれたそうです。喜んでくださったそうで、本当に良かったです。

長期連載をしているうちに、今月のイベント、2つ終わってしまいました。6日の土曜日に朝日カルチャーのはしごがあり、新宿校で「20世紀のバッハ演奏」について、横浜校で《ロ短調ミサ曲》について話しました。後者については、次の更新で補足します。

今月は大学関係の試験その他が続いていて、これからあるイベントは2つだけです。1つは20日(土)に入学試験の合間を縫ってやる「楽しいクラシックの会」(10:00-)。テーマは「やっとわかった《フーガの技法》」です。

14日(日)から、「すざかバッハの会」の新シリーズを開始することになりました。今まではバッハを中心に、比較的専門性のあるテーマを追求してきましたが、今年と来年のシリーズは、「耳と心をつなげよう!」と題する、クラシック音楽入門講座です。そのコンセプトと第1回の内容を、次に記しておきます。楽しくやりたいと思います。須坂メセナホールで、14:00からです。

企画コンセプト:「すざかバッハの会」ではこれまで、バッハを中心に、モーツァルト、バロック音楽をテーマとして取り上げてきました。なるべく突っ込んで内容のあるお話をしたいと考えてきましたので、慣れない方には、むずかしく感じられることも多かったかもしれません。そこで、会の実力が充分に蓄えられてきたこの機会に、クラシック音楽のすばらしさを広く知っていただくための入門講座を企画してみました。映像などを鑑賞しつつ、基礎的なところから丁寧にお話しするつもりですが、もちろん目標は、表面的なことの先にある音楽の深奥に対して、耳をしっかり備えてゆくことです。名曲がもっと楽しく、もっと身近になるよう、工夫してみたいと思います。

第1回 音楽の原点、変奏曲--姿を変える主題の楽しみ  いろいろな形式の中で、いちばんわかりやすく基本的なものが、変奏曲です。美しい旋律が好きになると、それが戻ってくることを期待するようになるものです。しかし新しい出現のさいに装いを変え、思いがけない姿に変貌させてゆくのも、作曲家の腕前です。ハイドンの《皇帝》、シューベルトの《ます》など、代表的な変奏曲を聴きながら、主題変容の面白さを学びましょう。

今月のイベント2010年01月07日 23時29分46秒

恒例のご案内です。内輪の仕事も含めていろいろあり、緊張しております。

9日(土) 10:00~12:00 朝日カルチャー新宿校の講座『新・魂のエヴァンゲリスト』。最終章から、数と音楽の関係、《ロ短調ミサ曲》、《フーガの技法》、病と死のあたりを扱います。今意を決してテキストを書き直していますので、できれば配布するつもりです。

14日(木) 19:00~21:00 いずみホールのオルガン・シリーズ、今回はジェイムズ・デイヴィッド・クリスティ、ジョン・フィニーのお二人をお招きして、《フーガの技法》を全曲演奏します。題して「バッハの遺言」。コンサートは間違いないと思いますが、私自身は、英語のインタビューに不安があります。

16日(土) 10:00~12:00 楽しいクラシックの会例会(立川錦町地域学習館)。今月はミニミニコンサートがあります。湯川亜也子(メゾソプラノ)、三好優美子(ピアノ)お二人の出演で、フォーレの歌曲が演奏されます。 ある僧院の廃墟で~夢の後に~讃歌~秋の歌~ゆりかご~ネル~ある1日の詩 というプログラムです。そのあと、先日このブログでご紹介したキングズ・カレッジの《メサイア》を鑑賞します。お問い合わせはマーラー・ファンの倉増さんまで <gustav@mtj.biglobe.ne.jp>。飛び入りで結構ですので、お出かけください。

23日(土) 13:00~15:00 朝日カルチャー横浜校の講座。今月はバッハの《音楽の捧げもの》です。

24日(日) 15:00~16:30 日本ワーグナー協会例会(東京国際大学早稲田キャンパス多目的ホール)。《神々のたそがれ》の入門講座です。

30日(土) 18:00~20:00 松本ハーモニーホールでの講演「バッハの《ブランデンブルク協奏曲》~多様性への挑戦」。31日の15:00から、小林道夫指揮、松本バッハ祝祭アンサンブル(コンサートマスター 桐山建志)による全曲演奏会があり、そのためのプレレクチャーです。

ご支援をよろしくお願いします。

今月のイベント2009年12月03日 14時03分16秒

8日のカンタータ公演以外のイベントです。

12月5日(土)は第一土曜日ですので、朝日カルチャー新宿校の講座「新・バッハ/魂のエヴァンゲリスト」です(10:00~12:00)。かつての著作を批判的に読み直すこの講座、今月から最後の章「数学的秩序の探求」に入り、「後期の諸作品」と題してお話しします。6日は既報の通り、クリスマス音楽のFM放送があります。

13日(日)は、すざかバッハの会です(14:00~16:30)。2年間続いた「バッハ最前線」のこれが最終回で、《マタイ受難曲》の連続講義は「死と埋葬」。「この1曲」では、《ロ短調ミサ曲》についてお話しします。わあ、重いですね。

19日(土)は楽しいクラシックの会(10:00~12:00)です。新録音の増えてきた《ゴルトベルク変奏曲》を聴き比べて、今年の締めくくりといたしましょう。

26日(土)は朝日カルチャー横浜校(13:00~15:00)で、「ヘンデルのオラトリオ」のお話です。当然《メサイア》が中心となりますが、新しい素材も、探してみたいと思っています。よろしくどうぞ。

乞うご期待、カンタータ公演!2009年12月02日 12時16分37秒

12月のイベントをご案内する時期になりました。もっとも重要な くにたちiGACHコレギウムのカンタータ公演について、まずご案内します。

12月8日(火)18:30から、国立音楽大学講堂小ホール、入場無料。演奏曲目は、カンタータ第64番《見よ、どれほどの愛を》、モテット《イエスよ、私の喜び》BWV227、カンタータ第140番《目覚めよ》という、超名曲ぞろい。指揮は大塚直哉さん(←天才!)です。

第64番は後半にソプラノとアルトのすばらしいアリアがあるのですが、この2曲が、iBACHの看板コンチェルティストである小泉惠子さん、加納悦子さん(←貫禄!)によって歌われます。モテットは、コラールの変奏にあたる奇数楽章を合唱で、聖書のテキストによる偶数楽章を重唱で対比的に演奏するよう、工夫してみました。コンチェルティストは、山崎法子、川辺茜、湯川亜也子、中嶋克彦、杉村俊哉/千葉祐也の方々です。

トリの第140番は、オリジナル通り、ヴィオリーノ・ピッコロ(!)を使って演奏します。もちろん、オーボエ・ダ・カッチャやナチュラル・ホルンも加わります。合唱のすばらしい作品ですが、阿部雅子さん(←急上昇中)、小川哲生さんによる愛の二重唱も、ぜひ聴いていただきたいものです。

昨日、ゲネプロ前最後の練習をしましたが、演奏会を控え、相当引き締まってきました。ぜひぜひ、お出でをお待ちしています。

11月のイベント2009年10月31日 14時55分04秒

11月最初の仕事は、小倉インマヌエル教会での《マタイ受難曲》に関する講演です。主催は、北九州聖楽研究会。合唱の役割を中心にお話するべく準備しています。

11/7(土)は朝日カルチャー新宿校の連続講座「新・魂のエヴァンゲリスト」で、ライプツィヒ時代の2回目。テーマは「ドレスデンとの関係」です。10:00から。

11/21(土)は恒例の「たのくら」です。今月は「G線上のアリアとパッヘルベルのカノン」と題し、ポピュラー名曲の聴き比べを行います。10:00から。

11/28(土)は朝日カルチャー横浜校「バロック音楽の名曲を聴く」の最終学期。テーマは「後期バロックの器楽曲」です。13:00開始です。案外ゆっくりしたペースの今月です。

新著目次2009年10月15日 14時59分20秒

新著『「救済」の音楽』(音楽之友社)の目次です。

第1章 J.S.バッハの音楽  結婚カンタータ《満たされたプライセの町よ》BWV216が甦るまで  J.S.バッハの作品概念  オルガニスト、バッハ  創造性と教育--バッハのクラヴィーア音楽  バッハの視覚・視覚のバッハ  生きなさい、死になさい、ここに憩いなさい--バッハにおける目覚めの考察  マニフィカト、バッハ、ルター--「マリアのほめ歌」の解釈をめぐって

第2章 古典派の音楽  モーツァルトの〈クレド〉書法  モーツァルトとバロック・ポリフォニー  ベートーヴェンにおけるダイナミックなソナタ形式の発明  ベートーヴェンからの乾杯--《第九》の通念を問い直す

第3章 ワーグナーとロマン派の音楽  ワーグナーにおける救済概念の深化  陰画としての《神々のたそがれ》--ワーグナー解釈の1つの試み  《パルジファル》における聖の二重構造  愛-信仰-希望?--ライトモチーフにたどる「救済」の音楽表現  《パルジファル》演奏史--13のCDを比較する  すべての聴衆に開かれた福音--《ドイツ・レクイエム》の成立まで  グスタフ・マーラーの現代性--悲劇的世界をひたす愛の力

すてきなデザインは、菊地信義さんがやってくださいました。発行は10月31日ですが、来週あたりから本屋に並ぶそうです。よろしくお願いします。