私は「気鋭」? ― 2009年10月14日 12時27分31秒
信仰の問題について本格的なご意見をいただき、ありがとうございます。これについては「ゆっくり」考えてゆくこととし、今日は別の話題です。
先日のご案内で、17日(土)の「楽しいクラシックの会」例会の情報が抜けている、とのご指摘がありました。これはうっかりしました。「ポスト・ヴィヴァルディ時代のイタリア音楽」というテーマで、10:00から行います。立川市錦地域学習館です。
それから、20日(火)の中嶋彰子さん他によるいずみホール《月に憑かれたピエロ》公演に、大阪の生んだ天才作曲家貴志康一(生誕100年)の歌曲3曲に加えて、メンデルスゾーン(生誕200年)の未発表歌曲2曲の日本初演が加えられることになりました。ぜひお出かけください。
もうひとつの話題。今日、私の新著『「救済」の音楽』(音楽之友社)の見本が出来てきました。バッハ論7、モーツァルト論2、ベートーヴェン論2、ワーグナー論4、ブラームス論1、マーラー論1を盛り込んだ論集で、執筆は1881年の《神々のたそがれ》論から書き下ろしの結婚カンタータBWV216論まで、28年に及んでいます。「救済の音楽」というタイトルは、各論に内蔵された大きな方向性をイメージ化したもので、文字通りの救済論というわけではありません。3800円+税という値段なので、気軽に手にとっていただきにくいかもしれませんね。
見本のオビを見て、目を疑いました。そこに、「気鋭の音楽学者による渾身のアプローチ」とあったからです。私、「気鋭」でしょうかね。何か、とても気恥ずかしいのですが(笑)。
続・10月のイベント ― 2009年10月07日 22時33分01秒
10月11日(日)は「すざかバッハの会」です。《マタイ受難曲》を中心とした2年のシリーズも、あと2回になりました。今回は第2部の核心部(ゴルゴタへの道行き)を扱います。「この1曲」ではカンタータ第140番(目覚めよ)を取り上げますが、コープマンの新しい映像がなかなかいいので、楽しんでいただけると思います。
17日(土)、18日(日)は14:00から、国立音大講堂で、大学院オペラ《ドン・ジョヴァンニ》の公演があります。今年の学生は粒が揃っていますから、一定のレベルを備えた公演になると思います。多くの学生がいい論文を書いたことはすでにご紹介しましたが、先日揃って研究室を訪れ、めいめいの写真をデザインしたラベル付きの「ドン・ジョヴァンニ・ワイン」を贈ってくれました。ありがとう。まだ飲んでいませんが・・・。
いずみホールの「ウィーン音楽祭 in Osaka」については、ホールのホームページをご覧ください。私が会場にいるのは18日(日)のフォルテピアノの日(小倉喜久子、桐山建志、花崎薫らによるベートーヴェンの交響曲第2番、シューベルトの《ます》)と、中嶋彰子+いずみシンフォニエッタによるシェーンベルク《月に憑かれたピエロ》他(火曜日)、ウィーン楽友協会合唱団を迎えてのシンポジウム(水曜日)、同合唱団によるハイドン《天地創造》(木曜日)です。
同合唱団が出演するトリのブラームス《ドイツ・レクイエム》(大植英次指揮 大フィル)も聴きたいのですが、土・日は大阪で、日本音楽学会の全国大会が開かれます。これの詳細も、学会のホームページでご覧ください。一般の方でも参加していただけます。
10月前半のイベント ― 2009年09月23日 23時23分40秒
9月はまだ1週間ありますが、10月のイベントをご案内します。1日に重要なものがあるからです。(今月はここまでたいへん忙しかったという印象ですが、一番印象に残り、やってよかったと思っているのは、広島の合唱コンクールです。事前には本当に負担に思っていました。だからこそ、良かったと思えるわけですよね。)
10/1(木)には、「楽しいクラシックの会」恒例のコンサートが、立川アミュの小ホールで開かれます(19:00開演、2000円)。信頼する久元祐子さんのご出演なので、端的に「久元祐子の世界」と題しました。前半はモーツァルトの《後宮からの誘拐》序曲と変ホ長調のソナタ、およびハイドンの変イ長調のソナタ。後半は武田忠善(クラリネット)、坂口弦太郎(ヴィオラ)両氏の共演で、モーツァルトの《ケーゲルシュタット》トリオとシューマンの《おとぎ話》です。もちろん司会は私。楽しいステージにしたいと思います。
10/3(土)から、朝日カルチャーセンター新宿校の「新・バッハ/魂のエヴァンゲリスト」が後期に入ります。ライプツィヒ時代の後半、「市民の音楽生活への参入」が、第1回のテーマです。10:00開始。
10/10(土)から3日間、東大で美学会の全国大会が開かれます。パスするつもりでいたら、音楽関係の発表の司会を頼まれてしまったので、土曜日の時間を空けました。詳細はホームページをご覧ください。この日はいずみホールの「ウィーン音楽祭 in Osaka」のオープニングにもあたっており、ゲルネとエマールのシューマン・コンサートがあります。第3週以降のイベントについては、改めてご案内いたします。
9月のイベント ― 2009年09月01日 22時18分21秒
ああ、9月。もう、9月。ついに、9月。秋ですよ、みなさん!
今月のご案内です。皮切りは、毎年この季節にやっている「モーツァルトの美意識」と題するコンサートです。今年は「響き合う友情と愛」と題して、4日北九州市立響ホール、5日熊本県立劇場コンサートホールで開催します(北九州は19時、熊本は18時から)。
プログラムはやや変則的なのですが、ヴァイオリン・ソナタホ短調と、オペラの二重唱特集が共通で、出演者は澤畑恵美、加納悦子、経種康彦、黒田博、久元祐子その他、国立音大の誇るすばらしい陣容です。このほか地元の同調会との交歓企画で、北九州には《ケーゲルシュタット・トリオ》、熊本には《レクイエム》抜粋が入ります。九州の方々、ぜひお会いしましょう。北九州の情報はhttp://www.kunitachi.ac.jp/event/2009/kitakyushu090904.html、熊本の情報はhttp://www.kunitachi.ac.jp/event/2009/kumamoto090905.htmlでどうぞ。
12日(土)は、モーツァルト・フェラインで講演します。「歌劇《フィガロの結婚》--気づきやすいこと、気づきにくいこと」というタイトルを考えています。19日(土)、20日(日)は、全日本合唱コンクール中国支部大会の審査員で、広島に行きます。様子のわからないところなので、また苦労しそうです。
26日(土)13:00からは恒例の朝日カルチャー横浜教室のバロック・シリーズ。「コーヒー店のバッハ」というタイトルで、《コーヒー・カンタータ》と若干の器楽曲を紹介します。
8月のイベント ― 2009年08月01日 23時17分57秒
ついに8月に入りました。余裕のもてる、うれしい月ではありますが、もう1日経ってしまったので、喪失感に悩まされる月かもしれません。そこで、今月のイベントです。
1日(土) 10:00~12:00 「新バッハ・魂のエヴァンゲリスト」 朝日カルチャーセンター新宿校 これはすでに終了。今日は「マタイにおける慈愛の熟成」の部分でしたので、モノグラフィ研究以前の自分の《マタイ》観を見直しました。未熟はぬぐえませんが、これは自分が研究を進めたから気がつくこと。他の部分も未熟なのに、研究を進めていないから気がつかない、という可能性もあります。
15日(土) 10:00~12:00 「ハイドンでリフレッシュ」 楽しいクラシックの会
22-23日(土、日) 埼玉県合唱コンクール審査
27日(木) 19:00~21:00 ロレンツォ・ギエルミ オルガン・コンサート「ライプツィヒの巨匠バッハ」 いずみホール ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフとの提携によるシリーズの第5回。ライプツィヒ時代、すなわち円熟期の諸作品が、バッハ自身のプログラミングを模倣する形で集められたコンサートです。解説とインタビューを担当します。
29日(土) 13:00~15:00 「夭折の天才、ペルゴレージ」 朝日カルチャーセンター横浜校
30日(日) 14:00~16:30 「バッハ最先端第10回」 《マタイ》の連続講座は「流れ下る愛」(ソプラノ・アリアとその周辺)、「この1曲」はコーヒー・カンタータです。
以上、よろしくお願いします。あ、別館もよろしく。http://groups.google.co.jp/group/alt-prof-i
急告!富田さん講演決定 ― 2009年07月08日 22時54分06秒
富田庸さんが急に帰国され、国立音大の図書館で資料調べをしたい、というご希望を洩らされました。この機会を逃す手はありませんので、来週火曜日(14日)18:00からのバッハ研究所の講演を変更して、富田さんにご登場いただくことにしました。昨年の《平均律》自筆譜に関する名講義は記憶に新しいところです。多くの方のご来場をお待ちしています(6号館111室、入場無料、いきなり来てくださって大丈夫です)。
なにぶん急ですので、武蔵野音大のピアノ科を卒業された富田さんがその後イギリスに渡り、誰もが認める世界的なバッハ学者になられるまでを自由に語っていただくよう、私からご提案しました。その中で、演奏者が原典資料を調べることの重要性も、見えてくると思います。常時携行のパソコンにぎっしり資料の写真を詰め込んでおられる富田さんのことです。今勉強中の《パルティータ》についても、有益な情報を提供してくださるとのことでした。どうぞご期待ください。
7月のイベント ― 2009年07月02日 23時07分16秒
重い6月のあと、7月は、穏やかな月になりそうです。
4日(土) 10:00~12:00 「新・魂のエヴァンゲリスト~《マタイ》へ向けての慈愛の熟成Ⅰ」 朝日カルチャー新宿校。第2・第3年巻のカンタータについての話題が中心です。
9日(木) 19:00~ 「日本のうた第4回~木下牧子を迎えて」 いずみホール 今月最大のイベントです。木下牧子さんを構成・コメントの形でお迎えし、木下選による歴史上の歌曲名曲選、木下さんの芸術歌曲、木下さんのポピュラー歌曲(合唱曲からの編曲など)、加藤昌則さんの歌曲、の4ステージ立てでお送りします。木下さんに、他作・自作について、存分に語っていただこうと思っています。出演者は、佐竹由美(ソプラノ)、宮本益光(バリトン)、加藤昌則(ピアノ)です。ぜひお出かけ下さい。
18日(土) 10:00~12:00 楽しいクラシックの会例会「新しい風ペルゴレージ」 立川市錦学習館 今月は好評のミニミニコンサートを例会内で開催します。山崎法子さん(ソプラノ)、三好優美子さん(ピアノ)の出演で、シューベルトとヴォルフの歌曲が演奏されます。ご期待ください。
25日(土) 13:00~15:00 「バッハのカンタータとマニフィカト」 朝日カルチャー横浜校
カウントダウン12--今月のイベント ― 2009年06月02日 23時39分31秒
5日(金) 18:00~20:00 ジョシュア・リフキン講演「バッハの苦闘・私の苦闘--《ロ短調ミサ曲》校訂記」 日本音楽学会 東京芸術大学5号館401室(通訳をします)
6日(土) 10:00~12:00 朝日カルチャー新宿「新・魂のエヴァンゲリスト」~「音楽による修辞学」の章から、《ヨハネ受難曲》の項目を採り上げ、最近の考えを加えて論じます。
7日(日) 12:40~14:40 早稲田エクステンションセンター「バッハのカンタータ」 最終回なので、聖俗関係の整理と、カンタータの演奏についてお話しします。
9日(火) 18:00~20:00 国立音大のバッハ演奏研究プロジェクトで、リフキン先生に《マタイ受難曲》の声楽公開レッスンを開いていただきます。SPC-Aで行いますので、大勢のお客様は収容できないかもしれません。私が通訳をします。
14日(日) 14:00~ 《マタイ受難曲》公演その1 杜のホール橋本
16日(火) 18:00~ 《マタイ受難曲》公演その2 同上
18日(木) 18:00~ 《マタイ受難曲》公演その3 いずみホール
20日(土) 14:00~ 《マタイ受難曲》公演その4 須坂メセナホール
27日(土) 13:00~15:00 朝日カルチャー横浜 バロック音楽講座 《マタイ受難曲》続講、第2部について
以上、よろしくお願いいたします。
5月のイベント ― 2009年05月02日 20時57分16秒
今日から、朝日カルチャー新宿校の講座「新・バッハ/魂のエヴァンゲリスト」(第1土曜、10:00~12:00)新学期が始まりました。プロジェクト受講生の方、国音卒業生の方なども受講され、にぎやかです。今期は、ライプツィヒ時代に関する記述を読み進めます。今日は「音楽による修辞学」(第7章)の前半を扱いました。
今月は、10日から、早稲田大学エクステンションセンターの講座「バッハのカンタータ」に出講します。毎日曜日12:40~14:40、全5回。休みがなくなってしまうので「たいへん」感もありますが、立派な視聴覚室で講義できるようなので楽しみです。ある程度、大学向きにやりたいと思います。
定例の講座としては、「たのくら」が9日(土)で「チェンバロで息抜きを」、朝日カルチャー横浜は23日(土)で「《マタイ受難曲》第1部」。《マタイ受難曲》関連ではもう2つありますね。5日(火)17:30から、ラ・フォル・ジュルネで、コルボの演奏に先立って作品の解説をします。45分しかないので、上手にまとめないと。27日(水)19:00は杜のホールはしもとのリフキン・マタイ用セミナーの2回目です。今回は日本側のソリスト4人と大塚直哉さんが出演して演奏を披露しますので期待感が高く、だいぶ前から、キャンセル待ちになっているようです。これを1つの目標として、作っていければと思います。
なお、16日(土)16:00から、いずみホールで、ブリテン/カーリュー・リヴァーと隅田川の公演があり、私も出かけます。恒例のホール・オペラですので、関西の方々、お出かけください。
4月のイベント(緊急) ― 2009年04月01日 23時43分08秒
新年度、おめでとうございます。今日は入学式でした。4月にもいくつかイベントがありますが、とり急ぎ1つ。3日(金)に、国立音楽大学講堂大ホールで、「 いま始まる! 華麗なる音楽の響き 」と題するレクチャー・コンサートがあります。14:30から新入生対象(上級生でもOKです)の第1回、18:00から一般向けの第2回です。入場無料。第2回であればフリで来られても入れますので、ぜひご来場ください。
コンサート、前半はムソルグスキー/ラヴェルの《展覧会の絵》。栗田博文指揮、くにたちフィルハーモニカーの演奏です。後半はモーツァルト《フィガロの結婚》の第4幕で、キャストは次のような、空恐ろしくなるほど豪華な顔ぶれ。昨日練習を始めましたがすばらしい舞台になりそうですから、広くお聴きいただきたいと思います。私ならではの趣向もめぐらせてあります。
伯爵:黒田博、伯爵夫人:大倉由紀枝、フィガロ:小鉄和広、スザンナ:澤畑恵美、ケルビーノ:山崎法子、マルチェッリーナ:押見朋子、バジーリオ:角田和弘、バルバリーナ:山本真由美
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