セレモアで講演 ― 2009年03月12日 22時41分33秒
セレモアつくば立川の敷地内にコンサートホールがあることをご存じの方は少ないことでしょう。外からは見えませんが、永田穂先生設計のホールがあり、そこには、プレイエル、エラールなど4台のピアノが揃えられているのです(近々ヴァルターのフォルテピアノが入るとか)。
「セレモアコンサートホール武蔵野」というその空間で、今日レクチャーコンサートをやりました。私の音楽美学の切り札である時間論をわかりやすく編集した講演の中に、久元祐子さんの実演をはさんでいく形でした。演奏されたのは、シューベルト《音楽に寄せて》、ショパン《雨だれ》《小犬のワルツ》、シューベルト《水の上で歌う》、モーツァルト《ソナタヘ長調》の第2楽章、バッハ《平均律第1巻》のハ長調プレリュード。私の話の趣旨に完璧に即した久元さんの名サポートで、私としても会心の出来となりました。プレイエルの銘器の響きがすばらしく、お集まりいただいた立川法人会東砂川支部の皆さんと、心温まる音楽のひとときを分かち合うことができたと思います。
アンコールは用意していませんでしたが、ふと思いついて、冒頭に演奏した《音楽に寄せて》を再度演奏。山崎法子さんの感動のこもった歌唱がいちだんと冴えて、最後を飾りました。冒頭の曲がさまざまな体験の末に帰り、最初とまったく異なった感銘を与えるというのは、バッハが《ゴルトベルク変奏曲》や《マニフィカト》でやっていることと同じですね。コンサートの枠組みとして、ときどき使ってみたくなりました。
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